栄養の質が大事!完ミの赤ちゃんの離乳食

離乳食(補完食)の目的は、月齢6カ月~23カ月の子どもに必要なエネルギーと栄養素を補うことです。
「最近のミルクは昔のものより質が良い」と言っても、
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第6章 例外的に困難な環境の乳児の適切な栄養法
6.6 母乳を飲んでいない月齢6カ月~23カ月の子どもの栄養法
~指導原則~
月齢6-23カ月の子どもに十分な栄養を与えるためには、第3章に書かれているような、安全で、適切な補完食のあらゆる原則を考慮します。
しかし、母乳でカバーされていたはずの必要な栄養分を補完するためには、高品質な栄養素が含まれている、より多くの量の食事が必要になります。
そのためには以下のように与えましょう。
- 十分な量のエネルギーと栄養素が食べられるように、食事の回数を増やす。
母乳を飲んでいない子どもには、1日に4-5回の食事と、1-2回の栄養豊富な軽食が必要になります。 - 十分なエネルギーを摂るために、エネルギー密度の高い食事にする。
食材の密度を濃くするか、油脂などを少し加えることで、子どもに必要なエネルギーを適切に摂取することができるようになります。 - 十分な栄養素を食べられるように、動物由来の食材を増やす。
子どもが十分な鉄分や様々な栄養素を得られるように、牛肉・豚肉・鶏肉・魚・レバーなどを毎日食べさせましょう(第3章3.3の表3参照)。カルシウムを摂るためには、乳製品も重要です。
動物性の食材を食べている場合は、1日に200-400 mlの牛乳かヨーグルト、他の動物性の食材を一切食べられない場合は1日に300-500 mlが毎日必要です。鉄分やビタミンを摂るために、豆類を日常的に与えましょう。一緒にビタミンCの多い食材を摂ると、鉄の吸収を助けてくれます。
オレンジ色や黄色の果物や、緑黄色野菜で、ビタミンAや様々なビタミンを摂るようにしましょう。
- 動物由来の食材を食べさせることができない場合は、栄養素のサプリメントを使う。
動物由来の食材を食べさせることができない場合は、ビタミンとミネラルのサプリメント(特に鉄・亜鉛・カルシウム・ビタミンB12)で十分な摂取量を確保する必要があります。
月齢6カ月から補完食を始めた方がいい主な理由
①月齢6か月頃から、赤ちゃんの成長や運動量増加に伴って、必要なエネルギーと栄養素が大幅に増え始めること。
②発達面からも、補完食を食べられる準備ができること(様々な食材の消化吸収ができるようになる・食べ物を吐きだす反射が減弱するなど)。
「動物性食材を食べさせられない場合」とは、困難な状況によって動物性食材が手に入らないことを意味しています。
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2016/1/16更新
コメント
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今6ヶ月半で3ヶ月からずっと完ミですが、離乳食を始めた頃からミルクの飲みが悪くなってしまいました。ミルクを変えたり乳首を変えたりしましたが、食べる量が増えるごとに飲みたくないという意志も加速するようでミルクは泣いて嫌がることもあります。
今ミルクは頑張って飲ませて1日500〜650ミリほど、離乳食は1〜2回+おやつ(軽食)でカロリーやタンパク質等摂れるよう意識して食べさせていますが、1回分のミルクを飲ませるのに1時間はかかるのでストレスです。
「頑張って」ミルクを飲ませるのはいつまででしょうか。
ミルクを飲まないなら、どんどん離乳食をあげても良いのでしょうか?悩んでいます……
コメントありがとうございます。その後の経過はいかがでしょうか?
さて、離乳食を始めてミルクを飲まなくなってきたんですね。平均的には0歳のうちはミルク中心になるかもしれませんが、実際にはミルク派のお子さんと、食事派のお子さんがいるので、もし食事中心の方がお子さんに都合がよければ、食事を進めてみるのはいかがでしょうか?
もしそれで、体重の増え方などに問題がありそうだったら、私がまず試すとしたら、食事の回数を増やすとか、ミルクを一度に200mLなどまとめて飲ませずに、こまめに水分補給代わりに飲ませてみるかなと思います。