離乳食に必要な栄養素を効率よくとれる食材
「離乳食は様々な食材を食べさせましょう」と言われますが、具体的には何を食べさせたらいいのでしょうか。
具体的な食材の種類と、なぜそれを食べさせた方がいいかの理由が分かる、WHOのガイドラインです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第3章 補完食
3.3地域に適応した補完食の推奨
表3 補完食に適した食材
~どんな食べ物を与えるべきかと、その理由~
母乳
エネルギーと質の高い栄養素を与えるために、月齢23カ月まで続けましょう。
主食
エネルギーと、ビタミン(穀物にはいくらかのタンパク質も含まれる)を与えることができます。
例:穀物(米・麦・トウモロコシ・アワ・キビ・キノア)、根菜(キャッサバ・ヤムイモ・ジャガイモ)、デンプン質の多い果物(バナナ・パンノキ)
動物性の食材
高い質のタンパク質、ヘム鉄、亜鉛、ビタミン類を与えることができます。
例:レバー・赤身の肉・鶏肉・魚・卵(卵は鉄の栄養源としては良くありません)
乳製品
タンパク質・エネルギー・たいていのビタミン類(特にビタミンAと葉酸)、カルシウムを与えることができます。
例:牛乳・チーズ・ヨーグルト・凝乳
緑黄色野菜
ビタミンA、ビタミンC、葉酸を与えることができます。
例:ほうれん草・ブロッコリー・フダンソウ・人参・かぼちゃ・さつまいも
豆類
タンパク質(中くらいの質)・エネルギー・鉄分(吸収率はよくない)を与えることができます。
例:ヒヨコ豆・レンズ豆・ササゲ豆・インゲン豆・アオイ豆
油分と脂質
エネルギーと必須脂肪酸を与えることができます。
例:ピーナッツなど様々なナッツのペースト、ゴマなどの植物の種
~注釈~
鉄分が多い食材
レバー(種類は問わない)、内臓、牛肉(特に赤身)、豚肉、鶏肉(特にもも肉)、鉄分強化食品
ビタミンAが多い食材
レバー(種類は問わない)、赤色のパーム油、卵黄、緑黄色野菜
亜鉛が多い食材
レバー(種類は問わない)、内臓、動物の血液を使った加工食品、牛肉、豚肉、鶏肉、魚、甲殻類、卵黄
カルシウムが多い食材
牛乳、乳製品
ビタミンCが多い食材
新鮮な果物、トマト、ピーマン(緑・赤・黄色)、緑色野菜
補完食のメニューには、主食・動物性食材・緑黄色野菜・油脂・乳製品・豆類を組み合わせることが大事なんですね。
鉄分補給には、牛赤身・豚・鶏がおすすめです。
さらに、豚・鶏レバーならその10倍以上の鉄分を含みます(つまり10分の1の量で同じ鉄分量が補給できます)。
WHOの原文そのままを訳しているので、日本では手に入らない食材もたくさん書かれていますが(キャッサバなど)、同じカテゴリーの食材で考えてくださいね(例えば里芋やサツマイモなど)。
調理の仕方は【WHOのレシピは簡単で栄養豊富!】が参考になります。
補完食の目的は乳離れじゃなくて栄養補給
WHOが推奨する補完食は、目的がシンプルで栄養豊富です。そもそも、なぜステップアップしなければいけないの?どんなものをどう調理すればいいの?など、基本的な話は第3章まとめ|補完食は離乳食と別のものですが役に立ちます。アレルギーについてもっと詳しい話や、食べない・マナーなどについては、離乳食の悩みから解放されたい!補完食のヒント集をどうぞ。
2016/6/7更新
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