③赤ちゃんに優しい病院で、妊娠中に指導されること

妊娠中からこんな実践的なことを教えてもらえていたら、母乳育児へのイメージや、自信の度合いも変わるかもしれません。

産後に、想像とのギャップで大変な思いをしたりすることも減るかもしれません。

 

全ての赤ちゃんに優しい病院(BFH)が守らなければいけない、母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(通称:母乳育児を成功させるための10カ条)の、Step 3です。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第4章 産科施設における、乳児の栄養法の管理と支援

4.3 出産前の準備

出産前からお母さんたちに指導することは、BFH戦略を成功させるために重要なことです。

 

 

Step 3 すべての妊婦に母乳育児の利点と管理方法を教える。

 

必要な情報

 

 

 

 

疑問点の一部はグループで話し合ってもいいですが、多くは個別にカウンセリングした方がもっといいです。

お母さんには産前と産後の両方において、産科施設に通ったり、地域のヘルスワーカーとコンタクトを取ったりする機会が必要です。

グループセッションでは、女性が疑問質問を出してお互いで話し合います。

グループでの話し合いが嫌な場合や、以前困難な経験をしたことのある女性は、個別に話し合う必要があります。

 

 

母乳育児に向けて出産前に準備しても、有益ではありません。

母乳育児がうまくいく人を増やすために、妊娠中に扁平乳頭や陥没乳頭を伸ばすためのエクササイズをしたり、乳首に装置を装着しても有効ではありません(9)。

産後すぐに赤ちゃんが直母できるように支援することの方がずっと効果的なことなのです。

 

日本で通称カンガルーケアと呼ばれているものは、正式にはスキンtoスキン・コンタクトといい、やり方も決まっています。

 

「母乳推進」をかかげる産科施設はとても多いので、母乳のメリットをなんとなく説明されることも多いと思います。

しかし、母乳育児を軌道に乗せるためには、お母さんが母乳で育てたいと思う気持ちの強さよりもシステムの方がずっと重要で、現実的にどのくらい本気で推進しているのかは、施設によってだいぶ差があるようです。

ほとんどの場合は、実際に母乳育児ができるかどうかは、お母さんと赤ちゃん次第、運次第になっています。


ステップ3に関しては、BFH認定という肩書のない病院の場合は、以下の条件に当てはまるほど、赤ちゃんに優しい病院だと考えられます。

  • 人工栄養を使うときは、注意点やいつまで使えばいいかを教えてくれる
  • 母乳が分泌される原理と、産後の頻回授乳・夜間授乳がなぜ大事なのかを教えてくれる
  • 母乳が出る体質・出ない体質という考え方は間違いだと教えてくれる(産後の対応が一番大事ということを教えてくれる)
  • 産後のスキンtoスキン・コンタクトや母子同室のメリットを納得できるように説明してくれる。

 

母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!

BFHと名乗る病院全てが達成しなければいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?

など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。

2017/1/29更新

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