母乳育児を成功させるための10カ条|その正しい意味とは?

母乳育児を軌道に乗せるためには、

「乳首が痛くても頻回授乳すべき」

「十分な母乳を出すためにはマッサージすべき(マッサージが痛くても耐えるべき)」

「母親は寝ずに授乳すべき」

・・・などのイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。

 

意外にも、WHOが提唱する「母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(日本での通称:母乳育児を成功させるための10カ条)」には、母親の根性を前提とするような内容は出てきません。

なぜなら、母乳育児を軌道に乗せるには、母親に特別な努力を強いるよりも、母子に関わる産科施設のシステムとそこで働くスタッフの知識やスキルを妥当なものにする方が、圧倒的に効果が高いことがわかっているからです。

 

そこで、1992年に、世界のすべての国のすべての産科施設に「母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ」を守ることを呼びかける(つまり、これは母親ではなく産科施設が守るべきポイント)、BFHIという運動が始まりました。

 

母乳が作られる仕組みは単純なので、母乳育児のスタート時期の過ごし方や授乳の方法によって、その後の母乳育児の大変さが簡単に変わってしまいます。

どんなところで出産したいか選ぶために、産後どういう風に赤ちゃんと関わっていけばいいかを知るために、母乳育児を軌道に乗せるためにも効果的な「10ステップ」とはどんなものか見てみましょう。

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第4章 産科施設における、乳児の栄養法の管理と支援

4.1 BFHI

囲み記事No.5

 

母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ

 

Step 1 母乳育児推進の方針を文書にし、すべての関係職員がいつでも確認できるようにする。

 

Step 2  この方針を実施するうえで必要な知識と技術を、すべての関係職員に指導する。 

 

Step 3 すべての妊婦に母乳育児の利点と管理方法を教える。

 

Step 4 出産後30分以内にお母さんが母乳を飲ませられるように援助する。

 

Step 5 お母さんに授乳のやり方と、赤ちゃんと離れなければいけない場合の分泌を維持する方法を(図や模型を使って)見せて教える。

 

Step 6 医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにする。

 

Step 7 母子同室にする。お母さんと赤ちゃんが24時間一緒にいられるようにする。

 

Step 8 赤ちゃんが欲しがるたびに授乳することを、奨励する。

 

Step 9 母乳で育てている赤ちゃんに哺乳瓶の乳首やおしゃぶりを与えない。 

 

Step 10 母乳育児をしているお母さんのための支援グループ作りを助け、お母さんが退院するときにはそれらのグループを紹介する。

この「10ステップ」にはそれぞれ科学的根拠があります。実践していない産科施設は、母乳育児を“いつの間にか”妨げていることが多いことが明らかになっています。

 

それぞれのリンク先から、さらに詳しい内容や、条文が具体的に何を意味しているのかの説明を読むことができます。

 

母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!

BFHと名乗る病院全てが達成しなくてはいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?

など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。

 2017/1/28更新

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