⑤BFHでは、母子分離の場合も母乳の分泌維持方法を指導されます

諸事情で赤ちゃんと離れなければいけない場合は、母乳育児をあきらめなくてはいけないんでしょうか。
赤ちゃんになかなか会えないとき、赤ちゃんが直母できないときも、母乳の分泌を増やし、維持する方法はあるのでしょうか。
全ての赤ちゃんに優しい病院(BFH)が守らなければいけない、母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(通称:母乳育児を成功させるための10カ条)の、Step 5の続きです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第4章 産科施設における、乳児の栄養法の管理と支援
4.5 授乳の仕方を教える
Step 5 お母さんに授乳の仕方を教え、赤ちゃんと離れなければいけない場合も分泌を維持する方法を教える。
<お母さんに母乳の分泌を維持する方法を教える>
- お母さんは母子分離の状況になったとしても、赤ちゃんに母乳を飲ませ、母乳の分泌を維持するために、搾乳の仕方を知る必要があります(囲み記事No.7参照)。
例えば病気だったり、出産の際に外傷を負っていたり、低出生体重児や未熟児の赤ちゃんの中には、お母さんから離れて特別治療室に入ることがあるかもしれません(第6章6.1参照)。
- 経口または経腸栄養が可能な赤ちゃんにとっては、通常、母乳が一番の栄養です。
- 経口栄養が不可能な赤ちゃんの場合は、母乳育児が開始できるようになったときに備えて、母乳の分泌アップと分泌維持のためには、搾乳することが効果的です。
搾乳は、赤ちゃんが必要とする時まで、冷凍保存できます(21)。適切な基準に基づき、搾乳を預かることができるような施設では、他の乳児に搾乳を提供することも可能です(22)。
欧米には、早産や病気で入院している赤ちゃんに飲ませるための、「母乳バンク」があるそうです。
BFH認定という肩書のない産科施設の場合は、以下の条件に当てはまるほど、赤ちゃんに優しい病院だと考えられます。
- 低出生体重児や早産の赤ちゃんに、母乳が必要とされる理由を教えてくれる
- お母さんになぜ搾乳が大切なのかを教え、搾乳することを勧めてくれる
- 搾乳のやり方の指導や、技術習得のためのサポートをしてくれる
- 搾乳をまとめて渡しても、冷凍保存などして預かってくれる
- 搾乳を赤ちゃんに飲ませてくれる
- 入院中の赤ちゃんとできるだけ一緒にいることの大切さを教え、勧めてくれる
(宿泊設備・日中の待機場所など配慮してくれる)
第5条・前半はこちら
母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!
BFHと名乗る病院が達成しなくてはいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?
など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。
搾乳の基礎知識・コツ・裏技は搾乳から見ることができます。
2017/1/29更新
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