てんかんと母乳育児|授乳OKな薬・NGな薬|WHO
WHOが発表している、「授乳中に飲める薬と飲めない薬」の一覧表のうち、てんかん治療などに使われる薬が、授乳にどのような影響を与えるかのリストです。
WHO必須医薬品リスト第11版「母乳育児と母親の薬物療法」
5. 抗けいれん薬/抗てんかん薬
一般情報
抗けいれん薬を服用しているお母さんの母乳を飲んでいる乳児は、傾眠状態になることがあります。抗けいれん薬が必要なお母さんにとっては、選択肢が少ないことが多いです。必要な薬剤を服用することは不可欠であり、抗てんかん薬を突然変更することは危険が伴います。
通常、母乳育児は可能ですが、赤ちゃんは必ず経過観察しなければいけません。治療の効果がある範囲で、服用量を可能な限り少なくするといいでしょう。
●カルバマゼピン
商品名:テグレトール
授乳と両立できます。赤ちゃんに副作用が出ないか観察しましょう(黄疸・傾眠・哺乳力低下・嘔吐・体重増加不足)。
●フェノバルビタール
商品名:フェノバール、など
授乳と両立できます。赤ちゃんに副作用が出ないか観察しましょう(傾眠・哺乳力低下・体重増加不足)。
●フェニトイン
商品名:アレビアチン、ヒダントール、など
授乳と両立できます。赤ちゃんに副作用が出ないか観察しましょう(チアノーゼ・メトヘモグロビン血症)。
●バルプロ酸
商品名:デパケン
授乳と両立できます。赤ちゃんに副作用が出ないか観察しましょう(黄疸)。
●ジアゼパム
商品名:セルシン、ホリゾン、など
単一用量の場合は授乳と両立できます。可能なら、繰り返し投与するのは避けましょう。赤ちゃんに傾眠がみられないか観察しましょう。
短時間作用型ベンゾジアゼピン系薬剤が好ましいです(※)
※オキサゼパムやロラゼパムなどの、短時間作用型ベンゾジアゼピン系薬剤が適しています。しかし、これらは必須医薬品リストには載っていません。
●エトスクシミド/ エトサクシミド
商品名:エピレオプチマル、ザロンチン
可能なら避けましょう。赤ちゃんに副作用が出ないか観察しましょう(傾眠・哺乳力低下・体重増加不足)。
●硫酸マグネシウム
授乳と両立できます。
相補薬
●クロナゼパム (B)
商品名:リボトリール、ランドセン、など
授乳と両立できます。お母さんには、標準の服用量のみ処方されるべきです。
相補薬・安全性の分類方法を詳しく知りたい→※一覧表の使い方
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