「母乳育児と母親の薬物療法」WHO必須医薬品リスト第11版|使い方

WHOが発表している、「授乳中に飲める薬と飲めない薬」の一覧表の使い方です。

それぞれの薬剤の分類の仕方と、その意味するところ、注意点、などが書かれています。

 

WHO必須医薬品リスト第11版「母乳育児と母親の薬物療法」

 

●イントロダクション

授乳中のお母さんに薬による治療が必要になった時、授乳を安全に続けながら必要な薬物療法をすることができるかどうか、決断しなければならないことがしばしばあります。

絶対的に授乳禁忌になる治療法はほとんどありません。

しかし、時々、赤ちゃんに副作用が起こるものもあります。

 

●一覧表の使い方

使いたい薬剤について書いてある、授乳に関する文章を読んで、同じカテゴリーの他の薬剤と比較し、選んだ薬剤が、ベストな選択かどうか判断しましょう。

 


●相補薬とは

薬剤名に以下のカッコ書きが付いている場合、相補的な薬剤を含んでいることを示します。

(A) メインリストの薬剤が利用できない場合

(B) メインリストの薬剤は別々に投与すると効果がない、または不適切な場合

(C) まれな疾患、または例外的な環境で使用する目的のもの

 


●薬剤の分類方法

1. 授乳と両立できます

ここに分類される薬剤は、母乳育児に適合しているものとして分類されています。

これらを使用することによる禁忌症は、知られていないか、理論的にありません。

お母さんは、薬を飲んでも安全に授乳を続けることができると考えられます。

 

2. 授乳と両立できます。赤ちゃんに副作用が出ないか観察しましょう。

ここに分類される薬剤は、理論上、赤ちゃんに副作用が起こりうるものですが、症状は出ないか、たまに軽度の副作用が起こる程度のものです。

お母さんには、どんな副作用が起こりうるかを知らせ、通常は出ないことを保証し、副作用が出たら、あるいは心配なことがあれば、再受診するように言いましょう。

もし副作用が出たら、お母さんへの投薬は中止し、必要なら替わりになるものを探しましょう。

お母さんが服薬を中止することができない場合は、治療が終わるまで授乳を中断して赤ちゃんには人工栄養を与える必要があるかもしれません。

母乳の分泌維持のための搾乳をするための介助をし、服薬をやめた後に再び母乳育児ができるようにしましょう。

 

3. 可能なら避けましょう。赤ちゃんに副作用が出ないか観察しましょう。

ここに分類される薬剤は、赤ちゃんに副作用が生じることが報告されているもの、特に副作用が重いことがあるものです。

これらの薬剤は、お母さんの治療のために本当になくてはならず、他に、より安全な選択肢もない場合にだけ用いましょう。

お母さんには服用中も授乳を続けてもらっていいですが、赤ちゃんの観察方法を明確に指導し、頻繁にフォローアップできるように取り計らいましょう。

副作用が生じたら、投薬を止めましょう。

服薬を中止することが不可能な場合は、治療が終わるまで授乳を中断して赤ちゃんには人工栄養を与えましょう。

母乳の分泌維持のための搾乳をするための介助をし、服薬をやめた後に再び母乳育児ができるようにしましょう。

 

4. 可能なら避けましょう。母乳の分泌を阻害する可能性があります。

ここに分類される薬剤は、母乳の生産を減らすかもしれないので、可能なら、避けるべきです。

しかし、お母さんが短期間、1種類の薬剤を服用しなければいけない場合は、赤ちゃんに人工栄養を与える必要はありません。

より頻繁に赤ちゃんに哺乳させるように奨励することで、母乳が生産低下する可能性を、埋め合わせることができます。

 

5. 避けましょう。

ここに分類される薬剤は、赤ちゃんに危険な副作用をもたらしうるものです。

お母さんが授乳している間は、処方してはいけません。

もし、お母さんの治療のためになくてはならない場合は、治療が終わるまで授乳を中断するべきです。

治療が長引く場合は、母乳育児を完全にやめる必要があるかもしれません。

抗ガン剤と放射性物質を除いて、このカテゴリーに入る薬剤はほとんどありません。

 


●加えて考慮しておくこと

ある薬剤の安全性は、赤ちゃんの月齢にもよります。

早産児や、月齢1カ月未満の乳児は、薬剤の吸収・排出するキャパシティが月齢の高い乳児とは違います。

よって、通常は、これらの赤ちゃんにはさらなる注意が必要です。

いくつかの薬剤は、月齢についての情報も、リスト上に書いてあります。

 

このリストに載っていない薬剤を投与する必要もあるかもしれません。

その薬剤が、明らかに禁忌のカテゴリー(例えば細胞毒性のある薬剤など)に入るわけではないなら、お母さんには授乳を続けるようにアドバイスし、赤ちゃんの何か心配な様子に気づいたら受診するように言いましょう。

 

※注意

WHOの元のリストには、薬の「成分名」しか書かれていません。

検索しやすいように、薬の「商品名(製品名)」を色文字で追記してあります。

商品名の参照元:おくすり110番 病院の薬がよくわかるホームページ

 

●商品化されている薬には、複数の薬剤が含まれている場合があるので、ご注意ください。

また、日本では認可されていない薬剤や、日本ではほとんど見られない疾患の治療薬も、そのまま載せています。

 

●同じ薬剤でも、ある症状の治療のために使う場合には授乳OKでも、別の症状のために使う場合は注意が必要なことも、まれにあるようです。

なので、ヒットしたページが「使用目的のカテゴリーに合っているか」にも注意しながら、検索してください。

 

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