母乳で育つとアレルギーが出にくいと言われる理由は?母乳中の生理活性因子

母乳は赤ちゃんの小腸を守ってくれるとか、食べ物の消化吸収を助けてくれるなどとも言われます。
どうしてそんなことができるのでしょうか?
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第2章 母乳育児の生理学基礎
2.1 母乳の成分
<母乳に含まれるさまざまな生理活性因子>
胆汁酸塩に活性化されたリパーゼ
小腸までやってきた母乳の脂肪分を完全に分解するよう促します(9)。
人工ミルクの脂肪分は完全には分解されません(4)。
EGF(上皮成長因子(10))
赤ちゃんの小腸のひだを作って腸を成熟させます。
その結果、栄養の消化吸収をよりしやすくなります。
さらに、よそのタンパク質による感染や感作はされにくくなります。
神経や網膜の発達や成熟を促進する様々な成長因子も、母乳に含まれることが示唆されています(11)。
食物アレルギーは、食材に含まれる、限られたタンパク質(アレルゲン)に反応して起こります。
また、細菌などの病原体が体内へ侵入してしまうと、感染症を起こします。
アレルゲンや病原体は、消化・排出されれば、アレルギーになったり感染症にかかったりしません。
つまり、「タンパク質による感染や感作がされにくくなる」というのは、
母乳を飲んでいると、異物が体内に侵入しにくくなるので、感染症にかかりにくくなり、本来よりもアレルギーは出にくく、程度も軽く済む可能性がある、ということなんですね。
母乳育児に自信を失いそうなときは
わざわざ母乳をあげる意味はないかな、ミルクの方が自分の母乳よりも栄養豊富かな、などなど。自分の母乳に自信が持てなくなったときは、母乳の基礎の記事がモチベーションアップの役に立つかもしれません。
2017/1/28更新
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