なぜ初乳は成乳と色が違うの?初乳の成分

産後すぐに出てくる母乳、いわゆる初乳は栄養豊富といいますが、何が豊富なのでしょう?

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第2章 母乳育児の生理学基礎

2.2 初乳と成乳

<初乳の成分>

初乳は産後2-3日の間に分泌する特別な母乳です。

初乳は白血球や抗体(特にsIgA)が豊富です。

 

初乳は、日が経ってから出始める母乳に比べて、タンパク質・ミネラル・脂溶性ビタミン(ビタミンA・ビタミンE・ビタミンK)の割合が多くなっています(2)。

 

ビタミンAは目を保護し、上皮表面を作る重要な働きをします。

このビタミンAのために、初乳は黄色っぽく見えることが多いです。

 

赤ちゃんは生まれた時に、初めて環境中の微生物に接することになります。

このときに初乳に含まれる免疫物質が、赤ちゃんを保護する重要な働きをします。

 

母乳中のEGFが、母乳の栄養を吸収できるように、赤ちゃんの腸を成熟させる準備を手伝います。

産後のこの時に、赤ちゃんに他の食べ物ではなく初乳を与えるということが重要なことなのです。

 

母乳育児が確立する前に与えられる他の飲食物は「プレラクティール・フィーズ(授乳前に補足するもの)(※1)」と呼ばれています。

 

※1 プレラクティール・フィーズ…授乳を開始する前に、糖水や水など、母乳以外のものを新生児にあたえること。多くの途上国で、広く行われているようです。日本でも、産後すぐに授乳をさせてもらえない産科施設では、行われているでしょう。これが母乳育児がうまくいかない大きな原因のひとつになっているそうです。

 

初乳には、まさに生まれたての赤ちゃんを大急ぎで感染症などから守り、栄養吸収を助けて成長を促すために、必要な成分がたっぷり入っているということなんですね。

 

母乳に含まれる成分の、詳しい話はこちら→免疫物質EGF

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