「母乳の免疫は半年でなくなる」はウソ!母乳の抗感染因子

母乳には免疫物質が入っていると言われますが、私たちの大事な赤ちゃんを守ってくれる成分には、どんなものがあるでしょう?

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第2章 母乳育児の生理学基礎

2.1 母乳の成分

<抗感染因子>

母乳には、赤ちゃんを感染症から守ってくれるたくさんの成分が含まれています(8)

 

イムノグロブリン:主に分泌型イムノグロブリンA(sIgA)

腸管粘膜をコーティングし、細菌が細胞内へ侵入するのを防ぎます。

 

白血球

微生物を退治します。

 

リゾチーム・ラクトフェリン:乳清のタンパク質

細菌・ウイルス・真菌類を死滅させます。

 

オリゴ糖

細菌が粘膜表面にくっつくのを防ぎます。

 

 

母乳中に含まれるこれらの因子は、赤ちゃんを独特な守り方をします。

 

  • 幼い乳児にダメージを与える、発熱のような炎症を起こさずに保護してくれます。

 

  • sIgAには母体が感染した細菌に結合する抗体を母体の腸で作られたものや、母親がかかった感染症に対抗できる抗体が含まれています。

    それらが、特に赤ちゃんの周りにいる細菌から、守ってくれるのです。

 

「sIgAには母体が感染した細菌の抗体も含まれる」というのは、とてもすごいことなんです。

 

私たちの身の回りには常に様々な細菌がいます。

風邪などの症状は出るときも出ないときもありますが、私たちの免疫システムは細菌と常に戦いながら、それぞれの細菌をやっつけるための特別な抗体を作り続けています。

この「特別な抗体」が母乳の中にも出てくるということなんです。

 

お母さんが戦っている細菌は、同じ環境に暮らしている赤ちゃんも感染する可能性が高いですよね。

その時は、母乳に含まれる「お母さんが作った抗体」が、細菌をやっつける手助けをしてくれるんです。

赤ちゃんの未熟な免疫機能を、大人の免疫機能で応援できる仕組みがあるなんて、なんて心強いんでしょう。

 

 

常に最新の細菌環境?にアップデートされている免疫物質や、こんなにもたくさんの赤ちゃんを守ってくれる物質を、母乳を飲ませるだけで簡単に赤ちゃんに渡すことができるんですね。

 

この保護物質たちも、月齢関係なく、母乳を飲ませている間はずっと出続けます。

子どもが風邪をひいたけど、なんか私も風邪っぽい…うつったのかな?という時は、逆にチャンスかもしれません。

親子で同じ細菌と戦っている可能性が高いので、母乳にも細菌をやっつけられる抗体がたくさん含まれていて、授乳することで子どもの回復を応援できる可能性があります。

 

母乳育児に自信を失いそうなときは

わざわざ母乳をあげる意味はないかな、ミルクの方が自分の母乳よりも栄養豊富かな、などなど。自分の母乳に自信が持てなくなったときは、母乳の基礎の記事がモチベーションアップの役に立つかもしれません。

2017/1/29更新

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