乳房の化膿|原因と対処法
「片方の乳房がパンパンになって痛み、皮膚が変色することもある」という症状(乳房膿瘍)の、原因と対処法です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害
7.5 乳房膿瘍(2)
<症状>
乳房が膨張して痛み、液体でパンパンになったように感じます。
膨張した部分の皮膚が変色することもあります。
<原因>
乳腺炎が効果的に対処されず、さらに悪化すると起こることが多いです。
<対処法>
膿を出して、ペニシリン耐性抗生物質で治療します。
膿の出し方は、小さく切開してカテーテルで出すか、針で吸引する(何度か行う必要がある)かが考えられます。
カテーテルや針を刺す位置は、超音波で探します。
大きく切開してしまうと、乳輪や乳管を傷つけてしまい、その後の授乳を妨げてしまう恐れがあるので、避けるべきです。
お母さんは、症状がある方の乳房からも授乳を続けていいのです。
でも、もし授乳が痛くて気が進まない場合は、搾乳の仕方を教えてもらいましょう。
搾乳を続ければ、通常、2-3日で痛みが軽くなるので、授乳できるようになり次第、すぐ赤ちゃんに直母させるといいです。
反対の乳房からは授乳を続けることができます。
感染を起こしていても、授乳しても赤ちゃんに影響はありません(お母さんがHIV陽性の場合は7.7参照)。
授乳を続けていると、切開したところから母乳が出てくることがあります。
これはしばらくするとなくなるので、授乳をやめる理由にはなりません。
母乳が溜まったままになる
↓
乳管の詰まりや乳腺炎が起こる
↓
感染性乳腺炎
↓
化膿(乳房膿瘍)
というように症状が悪化していくということですね。
どの段階でも、授乳は可能です。
感染を起こしていても、授乳して大丈夫なんですね(膿は取り除く)。
ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!
哺乳不足・しこり・詰まり・乳腺炎などのトラブルを根本解決するためには、授乳スキルが重要です。タグ#ポジショニングからチェックしておきましょう。
授乳のタイミングについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。
2017/11/8更新
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