⑨赤ちゃんに優しい病院は、哺乳瓶やおしゃぶりは使いません
なぜ哺乳瓶やおしゃぶりは使ったらいけないのでしょうか?
哺乳瓶がだめなら、直母できない赤ちゃんには、どうやって飲ませればいいのでしょうか?
全ての赤ちゃんに優しい病院(BFH)が守らなければいけない、母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(通称:母乳育児を成功させるための10カ条)の、Step 9です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第4章 産科施設における、乳児の栄養法の管理と支援
4.6 母乳育児を支援する環境づくり
Step 9 母乳で育てている赤ちゃんに、哺乳瓶の乳首やおしゃぶりを与えない。
人工乳首の哺乳瓶を使うと、赤ちゃんは上手な直母の仕方を学ぶことが難しくなります。
よって、母乳育児を順調に確立することも、より難しくなってしまいます(26)。
赤ちゃんが直母できない場合は、最も安全な選択肢としてはコップがあります(囲み記事8参照)。
低出生体重児や未熟児でさえも、コップで飲むことができるのです。
<コップで飲ませる理由>
- コップは清潔にするのが簡単です。
- コップで飲ませることは、赤ちゃんが直母の飲み方を覚える妨害になりません。
- コップは赤ちゃん自身に飲ませようと放置することができません。
つまり、誰かが赤ちゃんを抱いて、赤ちゃんが必要とするスキンシップを取りながら飲ませる必要があるということです。 - コップで飲ませることは、通常、スプーンよりも簡単で優れています。
なぜなら、スプーンの方がより時間がかかるし、両手を使わなければいけないし、
赤ちゃんがスプーンでは十分に飲めないこともあるからです。
哺乳瓶やおしゃぶりと直母は、大人から見るとよく似ていますが、吸着の仕方・吸てつと嚥下のタイミング・ポジショニングなどが違うので、哺乳瓶に慣れてしまうと直母ができなくなる(=乳頭混乱)危険性があります。
多くの場合は、哺乳瓶を使えば使うほど、母乳育児を確立するのが難しくなってしまうのです。
ステップ9に関して、BFH認定という肩書のない病院の場合は、以下の条件に当てはまるほど、赤ちゃんに優しい病院だと考えられます。
- 第一選択として哺乳瓶を使わない
- 赤ちゃんに搾乳やミルクを補足するときは、抱っこして飲ませてくれる
- ルーティン的におしゃぶりを使わない
- 赤ちゃんに搾乳などを補足するときに、コップやスプーンなどを使ってくれる
- 哺乳瓶がよくない理由、コップで飲ませると良い理由を教えてくれる
母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!
BFHと名乗る病院が達成しなくてはいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?
など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。
2017/1/30更新
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