乳管の詰まり|原因と対処法

詰まりの原因は、母乳の質が悪いせい?
予防するには食事制限が必要?
対処法はマッサージしかない?
さまざまな”常識”がありますが、科学的に明らかになっていることは何でしょうか。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害

7.3 乳管の詰まり

<症状>

触ると痛いしこりが片方の乳房にでき、しこりの部分の肌が赤くなります。

 

<原因>

乳房の一部分から母乳を除去するのを失敗した時に起こります。

 

その原因には以下のことが考えられます。

乳房の一部がドロドロの母乳で詰まることもあります。

 

 

<対処法>

母乳の除去の仕方を改善してから、以下の改善法を試しましょう。

  • 問題の乳房から頻繁に授乳し、授乳中、しこりの上からそっとマッサージします。
  • 温湿布が効き目がある人もいます。
  • 赤ちゃんのポジション(横抱きやフットボール抱きなど)を変えると効き目がある場合もあります。
  • しこりをそっとマッサージした後に、母乳の塊が乳頭から出てきて、続いて母乳がぴゅーっと出て乳管の詰まりが一気に解消することもあります。

 

詰まりは、「母乳がおっぱいに溜まったままになるとできる」ということなんですね。

 

「母乳の除去の仕方を改善してから」という理由は、

まずは「上手におっぱいに吸着できるようにし、授乳時間と頻度が足りない場合は増やす」ことが、根本的な解決法になるからです。

「搾乳していつもおっぱいを空にしておく」ことは、より生産能力が高まって母乳が余る原因になるので、根本的な予防にはなりません。

 

「母乳の除去の仕方」の改善ポイント→※しこりと母乳不足を一度に解消するポイント(図解)

 

ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!

乳首の痛み・哺乳不足・しこり・詰まり・乳腺炎などのトラブルを根本解決するためには、授乳スキルが重要です。上手におっぱいに吸着するために欠かせないスキル、ポジショニングをチェックしておきましょう。

授乳のタイミングについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。

 2017/2/11更新

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コメント

    • にの
    • 2017年 5月 25日

    こんばんは、いつも拝見させていただいております。
    現在生後1ヶ月半の女の子を母乳で育ててます。

    4日前から、左の乳房のしこりが解消されなくて悩んでいます。さわると痛いですが、赤み、熱感はありません。
    位置は谷間側のはじっこで、真ん中より少し上です。
    向かい合うと、九時の方向です。サイズは2センチぐらい
    で、小さいです。

    抱き方をかえたり、ポジションにきをつけてみてもなくならず、授乳しながらマッサージしても変わりません…

    湯船の中でマッサージしてもなくなりませんでした。

    おいそがしいとは思いますが、よろしくお願いします。

    • 4日間消えないしこりがあるんですね。

      正解は分からないので、私だったらどうするかで考えてみますね。
      まず、赤ちゃんを布団などに寝せて、上から覆いかぶさるような体勢で、赤ちゃんのアゴ側にしこりがくるように吸着させて授乳するのを、少し角度を変えながら繰り返してみたいです。
      (乳管の角度や母乳の流れが変わるので、詰まりが取れやすくなるかもしれません)

      しこりが悪化(大きくなったり痛みがひどくなったり)する場合や、3週間以上続く場合は、乳腺外科を受診するかなと思います。

    • amigo
    • 2018年 6月 08日

    このブログと書籍をしょっちゅう読んで勉強しながら現在もうすぐ6ヶ月の子の授乳をしています。とても信頼出来る情報源を提供してくださって心から感謝しています。

    一つ質問があります。しこりが出来たときの対処法でしこりをマッサージするとありますが、この時のマッサージとはどのような方法でしょうか。しこりの部分を出口(乳首)に向かって優しくさする感じでしょうか?丸くさするのでしょうか?揉みほぐすように優しく皮膚をこねるのでしょうか?はたまた別のやり方ですか?教えていただけたら嬉しく思います。

    • コメントありがとうございます。しこりのマッサージ方法についてのご質問ですね。
      WHOが何を意図しているかは、残念ながら分かりません…!
      個人的には、外に出ようとする母乳の圧力を高めることが効果があるんじゃないかなと思うので、乳頭の方向に向けて、優しく圧迫するイメージを持っています。
      揉んだりこねたりするのは、満タンの乳腺が傷つきそうな気がして、ちょっと怖いです。

      マッサージはあくまでおまけで、うまく直母できた時の方が、圧倒的に効果があるように感じます。

    • amigo
    • 2018年 6月 09日

     早々にお返事いただいてありがとうございます。
    やはりポジショニングが最も大切、ということですね。首も座って腰ももうすぐ座りそうで手の動きも細かい動作がだんだんできるようになって来て、授乳の姿勢をこども自身が変えるようになってしまっています。具体的には添い乳のときに私の支えを嫌がって顔だけ横に向けて体は天井を向き、首をねじって吸っていることもあります。負けないようにしっかり正しいポジショニングをキープして授乳してもらうように気を付けます。
     あと数日で生後6か月になるのでこちらのブログを参考に補完食を開始しようと思っています。sumire式(ちがいますね、WHOのガイドラインでした!)で補完食を開始するのを楽しみに日々を送っています。sumireさんの次の書籍は「ちょっと理系な育児~補完食編~」ではないかと勝手に予想しておりますが、と言うよりもこれは要望ですね。是非、よろしくお願いいたします!

    • 首や腰がすわったら、赤ちゃんによってはポジショニングが適当でも上手く飲めることもあります。
      補完食、いろいろチャレンジしていけるといいですね。
      補完食の書籍は、今は需要がないと考えられているとのことで、残念ながら出版される予定は今のところありません。

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