アヒル口で授乳しても飲めないことがある(図解)

巷でよく聞く、「赤ちゃんの唇がアヒルのくちばしのような形になって、乳輪が隠れるくらい大きくくわえられていればOK」というアドバイスでは、どうやら不十分のようです。

その通りにしているのに、「上手に飲めている」と言われたのに、授乳がうまくいかない!と悩むお母さんのために、今回は、赤ちゃんの唇と乳輪に注目して、本当は何が重要なのか・その理由・できているつもりでできていない状態、を分析してみたいと思います。

下唇が重要。上唇は二の次。

WHOガイドラインによると、“赤ちゃんの下唇が外向きに湾曲している”ことが重要。上唇については触れられていません。

(経験上、特に新生児の上唇を外向きに湾曲させるのは至難の業のような気もします)

上唇はどんな状態が理想的なのかは現時点では分からないのでひとまず横に置いておいて、とにかく下唇に注目するといいかもしれません。

・下唇が内側に巻き込まれていないこと

・口をすぼめていないこと

下唇が乳房に沿って外向きに湾曲している(いわゆるアヒルのくちばし!)

でも下唇は見えない!

「授乳中の赤ちゃんを見てみると、下唇が内側に巻き込まれていないことが確認できた。よかった♪」ではありません。

下唇がよく見えるのは、ポジショニングの改善が必要なサインになります(上手におっぱいに吸着できていない可能性が高い)。

上手に吸着できると、下唇は乳房に隠れて、よく見えない状態になるからです。

自分で確認したいときは、赤ちゃんをおっぱいに吸着させた後に、ちょいと乳房を指で押しのけて、下唇を見てみるといいかもしれません。

乳輪は上下非対称でくわえさせるべし

「乳輪が隠れるくらい」は、乳房を大きくくわえられている目安になりません。

→人によって不可能だったり不十分だったり、乳房の真横から吸着させるような良くないポジショニングになったりしてしまう。

ポイント:WHOのガイドラインより

①赤ちゃんの口から乳輪がはみ出ているかどうかは吸着のサインとして信用できない。なぜなら乳輪の大きさは人それぞれだから。

②赤ちゃんの唇からはみでる乳輪の面積が、上>下になっていたら良いサイン。

Figure8

参照

上手な乳房への吸着の見分け方(図解)

下手な乳房への吸着の見分け方(図解)

試しに、上手な吸着を示したWHOガイドラインのイラストの、口の中を見てみます。

赤ちゃんがくわえている乳房組織の上側を青で、下側を赤で示しています。

Fig.13

これを見ると、青いライン(上側)よりも、赤いライン(下側)の方が長いことが分かります。

つまり、赤ちゃんがおっぱいをくわえるときは、乳房のあご側を、より多く口に含めると良い。ということなんですね。

アヒル口で大きくくわえていても飲めていない例

Fig.10

このイラストの赤ちゃんは、乳房を大きな口でくわえていますが、あごが乳房から離れて、乳頭が大きく上に曲がってしまっています。

これでは効率よく飲めません→※最も短時間・少ない回数で母乳を効率よく飲むには(図解)

まとめ

以上より、「赤ちゃんの下唇に注目、でも下唇は通常は乳房に密着していて見えない。乳輪は赤ちゃんのあご側を多めに上下非対称にくわえさせる」こと、略して

「下をしっかり、上おまけ」

を合言葉に、吸着させるといいようです。

★上手な吸着のチェックポイントは、下唇・下あご・乳輪の下側!★

ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!

哺乳不足・しこり・詰まり・乳腺炎などのトラブルを根本解決するためには、授乳スキルが重要です。タグ#ポジショニングからチェックしておきましょう。

授乳のタイミングなどについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。

2017/5/13更新

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