下手な乳房への吸着の見分け方 (図解)
こんなサインが見られたら、赤ちゃんは乳房に上手に吸着できていないでしょう。
うまく吸着(アタッチメント)できないと、母乳育児は茨の道になってしまうかもしれません。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第2章 母乳育児の生理学基礎
2.8 赤ちゃんの吸着と哺乳の仕方
図7は赤ちゃんが上手に吸着できていない様子を示しています。
●乳房の組織や乳管をくわえられず、乳頭だけ口に入っている
●赤ちゃんの舌が口の奥にあって乳管に届かず、母乳を押し出すことができていない
悪い吸着の場合は、お母さんにとっては授乳が不快で痛いものになります。
乳頭や乳輪が傷つくことで、乳頭がひりひりしたり亀裂が入ったりしてしまいます。
うまく吸着できていないことが、たいていの乳頭の痛みの原因になっているのです。
さらに、母乳が効率的に乳房から除去できないので、その結果として母乳の分泌不足の主な原因となっているのです(第7章7.6参照)。
<乳房への吸着の良し悪しのサイン>
図8は、外側から見て乳房への吸着の良し悪しが分かる、最も重要な4つのポイントを示しています。
これらが、母子への介助が必要か判断するポイントとなります。
下手な吸着のサイン(図8の右の赤ちゃん)
- 赤ちゃんの上唇からはみだす乳輪と下唇からはみ出す乳輪が同じくらい、または下の方が大きい
- 赤ちゃんの口が大きく開いていない
- 赤ちゃんの下唇の向きがまっすぐか、内側に巻き込まれている。
- 赤ちゃんのあごが乳房から離れている
これらのひとつでも当てはまる場合、または授乳が痛い時や不快な時は、乳房への吸着の仕方を改善する必要があります。
ただ、赤ちゃんが乳房に密着している状態で、下唇がどうなっているか確認するのは難しいことです。
時々赤ちゃんの口から乳輪が大きくはみ出していることがありますが、それ自体は悪い吸着のサインとして信用できません。
乳輪が大きい女性もいるからです。
赤ちゃんの上唇からはみ出た乳輪と下唇からはみ出た乳輪の幅を比べる方が、はみ出す大きさ自体をチェックするよりも信頼できるサインとなります。
図7は、上手な吸着を描いた図6と比べると、違いが分かりやすいかもしれません。
産後、母子同室の病院の場合も、授乳室に通って助産師さんに介助してもらうことや、乳房への吸着の仕方などをチェックしてもらうことはとても大切だと思います。
快適な母乳育児にはポジショニングの習得が不可欠
上手に吸着できるかどうかは、授乳の姿勢(ポジショニング) にかかっています。
ポジショニングから、赤ちゃんの頭の位置・鼻の向き・首の角度などのポイントを見ておきましょう。
2017/1/28更新
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