隣に寝ればいいわけじゃない|添い乳のコツ (図解)

「赤ちゃんを隣に寝せて、おっぱいをくわえさせるだけ」と思われていた添い乳にも、

「寝た状態ではおっぱいをくわえさせることができない」

「効率よく母乳が飲めない」

などの問題が起こりやすいことが分かりました。おっぱいへの吸着が得意じゃない赤ちゃんでも、上手に添い乳するコツをまとめます。

WHOによると、寝そべって授乳するやり方は帝王切開後にもやりやすいようです。

やり方

※右乳を授乳する場合を例にします

1.赤ちゃんをあお向けに寝せます

2.赤ちゃんの左隣に寄り添い、右乳を上の方から近づけてくわえさせます

おっぱいを上の方から近づけることで、重力を利用して深く吸着させやすくなります。

Fig.44

3.自分が寝そべるのと同時に、赤ちゃんの胸の部分を、背中側から抱き寄せる(90度回転させる)

fig.45

完成:赤ちゃんの顔とおっぱいが正面を向き、赤ちゃんはあごをあげておっぱいに密着しながら効率よく母乳が飲める

Fig.46

天井から見ると、お母さんと赤ちゃんでVの字を描くように、しっかり赤ちゃんのお尻を抱き寄せます(下図)。

Fig.25

・かけ布団をたぐり寄せて赤ちゃんの背中が倒れないように支えにすると楽かもしれません。

・赤ちゃんの布団側の腕は「ばんざい」でも「気を付け」の形でも、やりやすい体勢でいいと思います。

・お母さんの布団側の腕も、ばんざいでも、前に投げ出しても、赤ちゃんに腕枕をしても、やりやすい体勢でいいと思います。

・お母さんの頭は枕でしっかり首の付け根から支えられると、楽かもしれません。首・肩・腰などが痛くなる場合は、姿勢が良くないです。頭の支え方(高さ)や腕の置き場所などを変えてみてください

●注意●

赤ちゃんが自分で頭を動かせるように、頭は固定しない

赤ちゃんの背中をクッションなどで支える場合、頭まで固定してしまうと、万が一窒息したときに頭を動かせず危険です。

睡眠を伴う状況では、毎回、安全性を確認します。

参考:正しい授乳の姿勢

おまけ:寝たまま両乳を授乳するやり方

※右乳に続いて左乳も授乳する場合

1.赤ちゃんをあお向けに寝せます

2.隣に寝そべったまま、左乳を上から近づけてくわえさせます(赤ちゃんの顔をちょんちょん触って、顔を乳首の正面に向かせる)

Fig.47

fig.48

3.そのまま寝そべりながら、自分のお腹を赤ちゃんにぴったりとくっつけ、胸を張るイメージで自分の背筋を伸ばして完成

Fig.49

※天井から見た図

背筋を伸ばすことで、赤ちゃんはあごをあげておっぱいに密着して飲みやすくなります。赤ちゃんの顔が良く見えると良いサイン。

あまり良いポジショニングではないので、あくまでおまけです。夜間など、わざわざ起き上がって授乳するのが大変なときに有利です。お母さんの体格によっては難しいかもしれません。

最後に

何度も何度も同じ向きで添い乳を繰り返すと、母乳の流れが悪いところが生じて乳管の詰まりの原因になるかもしれないので、慣れるまでは時々赤ちゃんを寝せる側を左右入れ替えるといいと思います。

ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!

哺乳不足・しこり・詰まり・乳腺炎などのトラブルを根本解決するためには、授乳スキルが重要です。タグ#ポジショニングからチェックしておきましょう。

授乳のタイミングについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。

※この記事は現時点でのsumireの知識・経験・考察をもとに書いているので、今後知識や経験が増えるにつれて情報を更新する可能性があります

2017/5/13更新

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コメント

    • Kao
    • 2017年 12月 11日

    現在生後1ヶ月。ほぼミルクで、1日6回120ccと搾乳したおっぱいを1日1回40~50cc程度あげています。
    生後4日間母乳でず、5日目退院後胸がパンパンに張り母乳がでてきました。
    赤ちゃんは生後2日位は、乳首を舌先でペロペロ舐めていました。3日あたりから吸わせようとすると身体を反らせてギャン泣きし拒否し始めました。この頃、ミルクを10ccずつあげ、日数ごとに量を増やしていきました。
    母乳が出るようになってからも、拒否。身体を反らせて泣き体制も上手く整えられず、そのうち寝てしまう。その格闘をしてから、ミルクをあげると疲れて寝ながら1時間くらいかかり飲む。生後2週間くらいで母乳の格闘をやめミルクと搾乳したおっぱいをあげると、ぐびぐび飲むようになり、その方法か定着。今は飲む力と勢いがすごくあります。時々おっぱいも吸えるのではと試しますが、少しちゅぱちゅぱするものの上手くのめません。今更また母乳にトライしてもストレスなだけで、もう母乳も出ないのかなと思いつつ母乳も吸えたらなと思います。
    せっかくリズムができてきた赤ちゃんにあまりストレスを与えずチャレンジする方法はないでしょうか?

    • 母乳育児に理解のない病院で出産されて、ミルク中心で育てつつも、母乳も飲ませられるといいなと考えていらっしゃるんですね。
      赤ちゃんにストレスがない方法でということなので、この記事に載っているカンガルー作戦などいかがでしょうか。この通りにしなくても、抱っこ紐でお互い辛くない範囲でできるだけ長く密着しておく、などでもいいと思います。授乳拒否には、スキンシップも効果が期待できるそうです。

    • なみ
    • 2018年 11月 05日

    生後2ヶ月の男の子の母です。
    ブログや本を読ませていただいたり、先日も質問させていただいたりして、母乳育児を楽しめるようになってきました。
    そんな中で、気になることがあるので、質問させてください。

    質問したいことは、添い乳をして寝かしつけることで、おっぱいがないと寝れない癖がついてしまうのか、ということです。
    私は添い乳で寝かしつけています。おっぱいを飲みながらすぐ寝てくれるので、私も助かりますし、息子がとても気持ちよさそうにスヤスヤ寝ているのを見ると、お互いが添い乳することで、心地よい関係になってるなぁと感じていました。

    ただ、先日、私が熱を出してしまい、その日は実家の母が夜、寝かしつけてくれることになりました。でも、ありとあらゆることをして寝かしつけても、全く寝ず、結局、私が添い乳して寝かしつけました。
    その時、母に「おっぱいがないと寝れない癖がついてるから、何とかしておっぱい無くても寝るようにした方がいい」「泣いても、おっぱいあげないで、別の方法で寝れるようにならないとこの先大変になるよ」
    と言われました。
    また、添い乳で寝かしつけていると、「また、寝ながらおっぱい飲ませてるの?そんなにダラダラ飲ませたって、意味ないんじゃないの?」と言われることもあります。

    でも、それって、みんな大人の都合なのでは?と思う自分と、おっぱい無くても寝れるようにした方が今後もいいのかな?と思う自分と…悩んでいます。

    この時期の赤ちゃんは、添い乳をすると、癖がついてしまうものなのでしょうか?
    私は赤ちゃんが求めるまで、添い乳したいのですが、今後のことを言われて、少し心配な気持ちがありますが、どうしたらいいか悩んでいたので、質問させていただきました。
    返信いただけると、ありがたいです。

    • なみさんが体調不良の時に、お子さんがなみさんのお母さんの寝かしつけでは寝なかったことで、いろいろ言われて不安を感じていらっしゃるんですね。
      お母さんは、「自分のやり方では赤ちゃんが寝ない」という予想外の展開に動揺し、ご自身のプライドを守るために、「なみさんのやり方が悪いせいだ」ということにしないと、耐えられなかったのかもしれませんね。
      それはお母さんの問題であり、なみさんが解決してあげる必要は、必ずしもないと思います。

      赤ちゃんの要求に応えることは、確かに大変なこともありますが、「子どもは大人の思い通りにはならないものだ」ということを理解する方が、30年くらいの長い目で見ると、親も子も楽になることが多いんじゃないかなと予想しています。
      おっぱい無しで寝るようになっても、それ以外の関わりが必要になったりして、トータルで見ると大変さは変わらないと思うので、「子育てを楽にしたい」という目的では、添い乳をやめても効果は薄いかもしれません。

      目先のアレコレについて、いちいち「自立したふるまいをする赤ちゃん」を目指すよりも、たとえば今、お二人にとって添い乳が快適なら、それが大正解なんだと思います。

      (ちなみに、個人の経験では、赤ちゃんが成長するとおっぱいでは寝なくなるので、いつまでも添い乳で寝てくれれば楽でいいのに…と思っていました。普通の寝かしつけは、必要な時間も労力も増えることが多いです)

        • なみ
        • 2018年 11月 08日

        お返事いただき、ありがとうございます!
        自分のやっている事に自信をもって続けていこうと思いました。
        周りに母乳の正しい知識を持っている人や、励ましてくれるような人がいないので、なかなか相談出来ず、ブログや本で知識をつけて対処しています。
        とても、ありがたいです。

        あと、別の内容になってしまうのですが、アドバイスいただきたいことがあります。可能であれば、お返事いただけると嬉しいです。

        実は、体調不良で高熱を出し、丸3日間寝込んでしまいました。その間、飲んだり、食べたりすることが、ほとんど出来ず、母乳もこの3日間あげられませんでした……,。

        その3日間、家族が赤ちゃんのお世話をしてくれて、ミルクのみあげていました。
        私は、何回か搾乳しましたが、一日にできても、6回くらいだったと思います。
        3日間は胸がパンパンに張ってきて、限界近くになったら搾乳するということを繰り返していました。絞ると、勢いよくピューピューと出てきて、絞りきれないくらいでした。絞っても常におっぱいが重い感じで、頻繁に搾乳すれば良かったのですが、身体がしんどくて出来なかったです…。

        4日目になってようやく熱が下がり、母乳を再開しました。ですが、今までパンパンに張っていたおっぱいが、母乳を再開したら、ふにゃふにゃになって、全く張らなくなり、3時間以上間隔があいてしまっても、全然張らなくなりました。
        発熱する前は、母乳のみで育てていたのですが、次の授乳までの間、おっぱいは張っていました。
        母乳を再開して2日経ちますが、まだ、お粥しか食べられていないせいもあるのかなと思います。

        今の赤ちゃんの状態は、
        おっぱいを飲んだあとは、満足そうに離して寝る事が多い。
        ゴクゴクと飲んでいる様子がある。
        1日に何回か、飲んだあとも激しく泣く事がある(泣く時間帯はバラバラ)
        おしっこは、一日6回で、量は以前より少なめ。
        体重は増えている(ミルク飲んでいたからか)

        私が早くご飯を食べられるようになる事が必要なのかと思いますし、おっぱいの張りだけで母乳の出方を見ることは出来ないですが、このまま母乳を維持していくのに、大切なことはありますか?

        母乳のみで、育てることができるようになって喜んでいた矢先のことで、なんとか、維持していきたいです。
        長文になってしまい、すみません。
        よろしくお願いします。

        • 高熱が3日も続いたのは大変でしたね。
          一度減った生産量をまた増やすには、やはり頻回授乳が効果的だと思います。
          まだ母乳は出てそうなので、その調子で頻回授乳していれば大丈夫なのではないかなと思います。
          以前は母乳過多だったんじゃないかな?と思われるので、今後は張らないおっぱいのままでも、心配いらないと思います。
          今はおしっこが少な目とのことなので、色やにおいが濃くなってないか、注意しておくといいかもしれません。以前はおしっこが多めだったんじゃないかなと思うので、そこまで増えなくても大丈夫かもしれません。

          また、今後、もしなみさんが風邪をひくことがあっても、いつも通り授乳してもいいと思います。
          添い乳すれば搾乳するより楽だし、赤ちゃんは母乳に大量に含まれるであろう免疫物質で病原体から守れるし、生産量も維持できるし、乳房トラブルも防げます。
          解熱剤、抗生物質など、一般的な薬は、授乳に影響ないものが多いです。

          何をするにも周囲にいろいろ言われるんだろうなと想像しますが、なみさんの意思は尊重される価値があるし、陰ながら応援しています。

            • なみ
            • 2018年 11月 13日

            ありがとうございます!
            体調を崩して、気持ち的にもまいっていたので、温かい言葉をいただき、とても嬉しく思います。

            また、ブログや本を参考にさせていただきます!

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