WHOの成長曲線で標準の範囲・問題となる範囲
「体重–月齢曲線」「身長–体重曲線」「身長–月齢曲線」それぞれのzスコア曲線から、成長の問題を判断するためのガイドラインのまとめです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第5章 乳幼児の栄養法の継続的支援
5.4 状況を評価しましょう
5.4.1 子どもの成長を評価しましょう
表4に、zスコアに従った成長の問題の定義がまとめられています。
子どもの成長指標が、特定のzスコア曲線より高いまたは低い位置にプロットされている場合にのみ、カテゴリー分けされることに注意してください。
成長指標がzスコアの曲線上にのった場合は、深刻さの低い方のカテゴリーと考えます。
例えば、体重–月齢曲線で-3にのった場合は「深刻な低体重」ではなく「低体重」として考えます。
測定値が表4の空欄部分に当てはまる場合は、標準の範囲ということです。
表4 プロットから成長の問題を見つける
zスコア |
成長の指標 |
||
身長-月齢曲線 |
体重-月齢曲線 |
体重-身長曲線 |
|
3以上 |
※1 |
※2 |
肥満 |
2以上 |
|
※2 |
過体重 |
1以上 |
|
※2 |
過体重の可能性※3 |
0(中央値) |
|
|
|
-1未満 |
|
|
|
-2未満 |
低身長 ※4 |
低体重 |
痩せ |
-3未満 |
深刻な低身長※4 |
深刻な低体重※5 |
深刻な痩せ |
※1 とても身長が高いですが、それ自体が問題になることはほとんどありません。成長ホルモンを過剰生産する腫瘍があるなど、内分泌異常が疑われるほど高い場合は問題です。
この範囲の子どもは内分泌異常の可能性がないか受診が必要です(例えば両親の身長は普通だけど子どもは月齢に対して非常に身長が高い場合など)
※2 月齢に対する体重がこの範囲の子どもは、成長の問題がある可能性があります。ただし、成長の問題があるかどうかは体重-.身長曲線でチェックした方が望ましいです。
※3 zスコア曲線の1以上の場合は「過体重のリスクの可能性がある」かもしれません。体重増加がZスコアの2の曲線に近付く傾向にある場合は、「過体重のリスクがある」と定義されます。
※4 発育阻止や深刻な発育阻止の子どもの場合は、過体重になる可能性もあります。
※5 小児疾患統合管理(IMCI)の訓練モジュールによると、この範囲は超低体重になります。
実際の成長曲線はこちらから
簡単・正確に体重推移を評価する方法
WHOは、「赤ちゃんの成長曲線がどんなカーブを描くか」を重要視しています。スタンダードカーブに沿っていればOKで、平均より多いか少ないかは気にしなくていいのです。WHOの成長曲線は、基準となるスタンダードカーブが複数描かれているので、自分の赤ちゃんの体重推移をチェックしやすくできています。
成長曲線から、利用できる成長曲線や、どうやって評価したらいいのかなど、詳しい情報を得ることができます。母乳が足りない不安感は、母乳不足感も参考にどうぞ。
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