赤ちゃんが母乳の生産をコントロールする仕組み|生理学
赤ちゃんを産むと、今まで出したこともない母乳が出てくるのはなぜでしょう?
何が母乳分泌の引き金となっているかを知れば、「分泌促進に必要なこと」も分かってきます。
母乳分泌を促すホルモンが出る仕組みと、ホルモンの効果についての説明です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第2章 母乳育児の生理学基礎
2.5 乳汁生産のホルモン制御
直接授乳に影響があるホルモンは2つあります。プロラクチンとオキシトシンです。
赤ちゃんが直母すると、乳頭から脳へ感覚性のインパルスが伝わります。
それに反応して、脳下垂体の前葉がプロラクチンを分泌し、後葉がオキシトシンを分泌します。
エストロゲンなどの数多くのホルモンは、授乳に間接的に働きます(2)。
赤ちゃんの吸てつによる刺激は他の下垂体ホルモン(性腺刺激ホルモンGnRH、卵胞刺激ホルモン、黄体ホルモン)の分泌にも影響を与えます。
その結果、排卵や月経が抑制されます。
よって、頻回授乳すれば、新しく妊娠することを遅らせることができます(第8章参照)。
夜間の授乳はこの効果を確実にするためにも重要なことです。
赤ちゃんが直母することで、いろいろなホルモンが分泌されるんですね。
母乳育児は赤ちゃんとの二人三脚なんだなということが分かります。
他にも母乳育児の生理学的な話は母乳の生理学や【誰も教えてくれなかった、おっぱいと母乳の基礎知識】を読めば、迷信にまどわされず、本当はどんな仕組みなのかを理解することができます。
2015/10/18更新
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