授乳の観察の仕方|専門家向けガイドライン
母子の健康に責任のある専門家(医師・助産師・看護師・保健師など)がお母さんの授乳の様子を評価する際の、やり方や注意点についてのWHOのガイドラインです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第5章 乳幼児の栄養法の継続的支援
5.4 状況を評価しましょう
5.4.3 授乳の様子をチェックしましょう
月齢2カ月未満の赤ちゃんを母乳で育てているお母さんに会う機会があれば、必ず授乳の様子をチェックしましょう。
月齢2カ月以降は、お母さんが授乳について何か困っている場合や、赤ちゃんの成長につまずき(月齢に対して体重が少ない)が見られる場合のみ、授乳の様子をチェックしましょう。
囲み記事No.13の授乳の所見のチェックリストが、授乳をチェックするのに役にたちます。
赤ちゃんが母乳を飲んだばっかりの場合や熟睡している場合は、もう一度授乳する準備ができるまで時間がかかるかもしれません。
チェックを始めるために
- いつものやり方で、赤ちゃんに授乳してみせてもらえるか、お母さんに聞きましょう。
- 授乳は最後までしてもらいましょう。
(赤ちゃんが哺乳する時間がどのくらいか?赤ちゃんが自ら口を離しているか?を確認するため)
明らかに授乳に困難が見られれば、授乳を中断するのが適切でしょう。
まだ赤ちゃんが飲みたそうであれば、ポジショニング(授乳の姿勢)と乳房への吸着の仕方を改善しましょう(第4章4.5参照)。
ポジショニングと乳房への吸着が上手にできているかどうかのサインについては、第2章2.8で詳しく説明しています。
授乳を観察しながら、チェックリストのうち当てはまるものにはチェックボックスに印をつけましょう。
当てはまるサインが見られなければ、空欄のままにしておきます。
チェックリストの左半分は、母乳育児がうまくいっているサインを示しています。
右半分は何かしら困難なことがあるサインを示しています。
右半分のリストに印がある場合は、左半分にも印があったとしても、お母さんには支援が必要ということを示しています。
<ポイントのまとめ>
- 月齢2カ月未満の赤ちゃんがいる場合は、お母さんが許可するなら授乳の様子を毎回必ずチェックする
- 月齢2カ月以降は、何か問題がある場合のみ、お母さんが許可するなら授乳の様子もチェックする
- 授乳中、明らかな問題があれば中断してやり直し、なければ最後までしてもらう
- 授乳の所見のチェックリストの右半分に印が付いた場合は、必ずサポートが必要
授乳を観察して評価するために必要な科学的知識が詰まっているWHOのガイドライン「乳幼児の栄養法」の日本語版は、こちらから読めます。
※第2章まとめ|誰も教えてくれなかった、おっぱいと母乳の基礎知識
2017/4/10更新
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