⑩赤ちゃんに優しい病院は、退院後の母乳育児もフォローします

退院後も継続的なフォローアップがないと、母乳率は徐々に下がる傾向にあります。
このルールがあることで、産科施設が、退院後の母乳育児も責任を持つことができます。
全ての赤ちゃんに優しい病院(BFH)が守らなければいけない、母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(通称:母乳育児を成功させるための10カ条)の、Step 10です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第4章 産科施設における、乳児の栄養法の管理と支援
4.7 フォローアップサポート
BFH戦略は病院での母乳率を上げるために効果的ですが、新生児期を過ぎると母乳のみで育つ割合が減ることがあるので、母乳のみで育てることを継続するためには継続的な地域のサポートが不可欠です(27,28)。
BFHは退院後のお母さんの継続的なサポートにも関わる必要があります。
Step 10 母乳育児をしているお母さんのための支援グループ作りを助け、お母さんが退院するときにはそれらのグループを紹介する。
この条目では、産科施設を退院した後の、お母さんの母乳育児のフォローアップサポートの必要性について扱っています(第7章参照)。
母乳育児は数週間は確立できないかもしれず、この間にたくさんの問題が起こりえます。
BFHと公認されるためには、病院はお母さんに継続したサポートの情報源を紹介できなければいけません。
サポートには、病院の外来や、ヘルスセンター・クリニックや、母乳育児の訓練を受けたプライマリーケアスタッフやヘルスワーカー、専門家と同等の知識を持つカウンセラー、母親同士の支援グループなどがあります。
BFHがコミュニティーグループを作ることはとても難しいことが多く、すでに地域に根ざしたヘルスワーカーが作る方が簡単です。
しかし、病院はこれらのグループの設立を奨励し、これらのトレーニングを援助し、誰がどこで活動しているか把握し、彼らとコンタクトを取れるようにしておくべきです。
コミュニティーグループのことを退院するお母さんに教え、地域が発信している情報より専門的な支援を必要とするお母さんからの照会があれば、応じるべきです。
お母さんが産科施設を退院する時は、自宅の近所で母乳育児の支援が受けられる場所と、そこへのアクセス方法を教えるべきです。
ステップ10に関して、BFH認定という肩書のない病院の場合は、以下の条件に当てはまるほど、赤ちゃんに優しい病院だと考えられます。
- 病院に、退院後も利用できる母乳外来がある
- 病院に、退院後も母乳育児をサポートするシステムがある
- 退院後に、自宅近くにある母乳育児をサポートしてくれる他の施設・行政のシステムなどを紹介してくれる
お母さんの方からも、サポートについて問い合わせてみるといいかもしれません。
母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!
BFHと名乗る病院が達成しなくてはいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?
など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。
2017/1/30更新
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。