⑦赤ちゃんに優しい病院は、産後から終日母子同室です
なぜ母子同室にするといいのでしょうか。
母子異室(母子別室)の方がよく休めるから、母体の回復に良いと聞いたことはありませんか?
それは本当なのでしょうか?
全ての赤ちゃんに優しい病院(BFH)が守らなければいけない、母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(通称:母乳育児を成功させるための10カ条)の、Step 7です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第4章 産科施設における、乳児の栄養法の管理と支援
4.6 母乳育児を支援する環境づくり
Step 7 母子同室にする。お母さんと赤ちゃんが24時間一緒にいられるようにする。
赤ちゃんは24時間お母さんと同じ部屋で、お母さんのベッドの隣か、お母さんと同じベッドにいさせておくべきです(24)。
赤ちゃんをお母さんから引き離すのは、厳密に必要な場合、例えば医学的・外科的な処置を行うためだけにするべきです。
コット(ベビーベッド)はお母さんが赤ちゃんを見たり触れたりしやすいように、お母さんのベッドのそばに置くべきです。
見たり触れたりしにくいベッドの端の方に置いてはいけません。
研究の結果、母子が一緒にいるときは赤ちゃんが泣くことが減り、お母さんは母子異室の場合と同じくらい寝ていることが分かりました(8)。
赤ちゃんをお母さんから引き離すことは、長期的な心理的トラウマを伴うかもしれません(25)。
母子同室にすると、欲しがるたびに授乳可能になり、お母さんが、「赤ちゃんの覚醒状態・声・口の動き」などから、「哺乳の準備ができたサイン」を学ぶことができます。
これは重要なことなのです。
赤ちゃんが泣くまで待たずに、これらの合図に応えて授乳した方がいいのです。
意外にも、母子同室と母子別室という違いがあっても、お母さんの睡眠時間は変わらないんですね。
母子異室(別室)しか選べない産科施設で出産することになった場合は、すべてを医療スタッフまかせにするのではなく、お母さん自身が少し母乳育児をリードすることで、スムーズにスタートしやすくなります。
ステップ7に関して、BFH認定という肩書のない病院の場合は、以下の条件に当てはまるほど、赤ちゃんに優しい病院だと考えられます。
- 母子に問題がなければ、出産直後(出産当日)から母子同室ができる
- 母子に問題がなければ、夜間・日中関係なく、24時間母子同室ができる
- お母さんのより近くに赤ちゃんをいられるように、配慮してくれる
- 昼夜問わず赤ちゃんに授乳をしながら、どうすれば休息をとれるかを教えてくれる
母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!
BFHと名乗る病院が達成しなくてはいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?
など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。
2017/1/30更新
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