⑥赤ちゃんに優しい病院は、不要なミルクは与えません

プレラクティール・フィーズって聞いたことがありますか?
実はこれが、母乳育児の大敵なんです。
全ての赤ちゃんに優しい病院(BFH)が守らなければいけない、母乳育児を軌道に乗せるための10ステップ(通称:母乳育児を成功させるための10カ条)の、Step 6です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第4章 産科施設における、乳児の栄養法の管理と支援
4.6 母乳育児を支援する環境づくり
産科施設は母乳育児を支援することを保証しなければいけません。
赤ちゃん主導の授乳のためには、赤ちゃんをお母さんのそばにいさせなければいけません。
また、赤ちゃんに不必要な代替栄養などを補足したり、
搾乳などを与えるために哺乳瓶を使ったり、
おしゃぶりを与えたりしてはいけません。
Step 6 医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにする。
母乳育児が始まる前に食べ物や飲み物を新生児に与えることを、プレラクティール・フィーズといいます。
これらを与えると、特に初乳を飲む前に与えてしまうと、下痢や感染症などの病気や、アレルギーのリスクを増加させます。
プレラクティール・フィーズは赤ちゃんの飢えと渇きをいやすので、赤ちゃんは母乳を飲もうとしなくなってしまいます。
その結果、母乳の分泌に必要な、「哺乳することで乳房が受ける刺激」も減少してしまいます。
もし哺乳瓶を使うと、赤ちゃんが直母で飲む方法を学んでいくことを妨害することになります。
プレラクティール・フィーズは、母乳育児の確立を妨害しうるので、もっともな医学的根拠(添付資料1参照)がない場合は与えてはいけません(23)。
※初乳の大切さと、母乳育児の大敵、プレラクティール・フィーズって何?
ステップ6に関して、BFH認定という肩書のない病院の場合は、以下の条件に当てはまるほど、赤ちゃんに優しい病院だと考えられます。
- 産後、赤ちゃんに初乳を飲ませられるように支援してくれる
- 赤ちゃんにプレラクティール・フィーズ(出産直後の水・糖水・ミルクなど)を与えない
- 医学的根拠もなく、ルーティン的に赤ちゃんに人工栄養を与えない
- 効果的な哺乳ができるやり方を教えないまま、ミルク補足を判断しない
母乳育児の立ち上がりに必要なのは母親の努力より医療システム!
BFHと名乗る病院が達成しなくてはいけない条件は何?近くにBFHがなくても、できるだけそれに近い産科施設を選ぶための見分け方は?
など、産科施設のシステムについての話は第4章まとめ|赤ちゃんに優しい病院、BFHとはにまとめてあります。
2017/1/30更新
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