片乳だけ飲んで寝てしまったら起こして反対も飲ませるべき?

産科施設や保健所などで、「5分ずつ/10分ずつ/3分ずつ左右交互に飲ませるのが効率がいい授乳方法」だと指導されることも少なくありません。

片方のおっぱいだけで飲むのをやめてしまう赤ちゃんは両方飲むように「努力」するよう指導されたり、決められた時間授乳しても満足できなければ「母乳が足りない」と判断されたりしますよね。

このような大人主導の授乳方法には、しばしば悩みや困難がつきまといます。

 

片方のおっぱいだけで満足することは変なの?

月齢1カ月-6カ月の、赤ちゃん主導の授乳で母乳のみで育てられている、健康な満期産児の、24時間の授乳を観察した論文があります。

それによると、ある定義にしたがって、授乳を

・片乳

・両乳

・おかわり(両方飲んだ後、最初の乳房に戻る)

の3タイプに分けると、こんな割合になることが分かりました。

 

“授乳”の内訳(n = 775)

45%は片乳のみ

53%は両乳

2%はおかわり

授乳の内訳

図 赤ちゃんは1回の授乳でどのように飲むのか

“授乳”の詳しい定義はこちら→※WHOも参考にしている「授乳1回」の数え方

 

 

全体的に見ると、片乳のみで満足する場合も、両乳を飲んで満足する場合も、同じくらいの頻度であり、どちらもごく一般的なんだということが分かりますね。

 

研究デザインによって割合は多少変化する可能性はありますが、重要なのは、「片方のおっぱいだけで満足することも、ごく一般的である」ということです。

 

片乳しか飲まない赤ちゃんに、両方飲ませるように指導されるものの、飲まないことに悩むお母さんも少なくないようですが、気にしなくていいんじゃないかなと思います。なぜなら、(満期産児の場合は)産まれたての赤ちゃんですら、自分に必要な量が分かっているからです→※「満腹中枢は3ヶ月頃に完成する」はウソ!?

 

「毎回両方飲ませなければバランスが悪くなる」「母乳を溜まったままにしておくとまずくなる」という説は、日本だけの迷信なのかもしれませんね。

 

片乳しか飲まない悩みQ&A

●飲みながらすぐ寝てしまう

●十分な量が飲めていないようで、体重が増えない

→特に産まれたての赤ちゃんは、休憩しながら飲むことはよくあるようです。可能なら、そのまま口を外さずに、楽な授乳姿勢で付き合えるとベター。直母だけで必要量をまかなえない場合は、搾乳も利用できるといいかもしれません。

参照※低出生体重児への授乳

 

●おっぱいがスッキリするほど飲んでくれない

●毎回両方飲ませないと、乳腺炎などになりそうで怖い

→作られる母乳が多すぎる場合は、生産量をちょうど良くすることが根本解決になるかも

参照※母乳過多の原因と対処法

 

授乳パターンは十人十色

今回は、全ての赤ちゃんを合わせたデータですが、個々の赤ちゃんを観察すると、個性があることが分かります。その結果は次の記事でご紹介します。

自分の赤ちゃんのおっぱいの飲み方に不安になったら、タグ#授乳パターンや#母乳不足感をチェックしてみてくださいね。

書籍「ちょっと理系な育児(母乳育児編)」にも、自信を持って母乳育児をするための科学的知識が盛りだくさんです。

 

参考文献

Kent J et al. Volume and frequency of breastfeeding and fat content of breastmilk throughout the day. Pediatrics, 2006, 117(3): e387–392.

2017/5/13更新

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