食用油はいつから使う?0歳・1歳の子どもに必要なエネルギー

補完食(離乳食)の時期(月齢6カ月~23カ月)の子どもに、1日に必要なカロリーはどのくらいなのでしょうか。
また、大人にとって脂質は健康の大敵と思われがちですが、子どもにとっては、なくてはならない栄養素の一つです。
その摂り方の目安となるガイドラインです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第3章 補完食
3.1補完食の指導原則
脂質(油も含む)は食事のエネルギー密度を高めることができ、料理もおいしくなるので脂質を取り入れることも大切です。
脂質はまた、ビタミンAなどの脂溶性ビタミンの吸収を助けてくれます。
特に大豆油や菜種油など、いくつかの植物油には、必須脂肪酸が含まれます。
脂質でまかなうエネルギーは、母乳と補完食を合わせたトータルのエネルギーのうち、30-45%の範囲にしましょう。
脂質がこの割合以上を占めてはいけません。
さもなければ子どもがタンパク質や、鉄・亜鉛などの他の重要な栄養素を含む食材を、十分に食べられなくなってしまうでしょう。
<解説>
母乳と補完食を合わせたトータルのエネルギーのうち、30-45%の範囲とは、具体的にどのくらいの量の油を使えばいいのでしょうか。
肉類(赤身)や豆類にも、比較的多くの脂質が含まれます。
これらを1日に50 g食べたとしても、摂取する脂質は数グラムという感じです。
それを考慮して、離乳食の準備に使うと良いと考えられる食用油の目安は以下のようになります。
植物油の目安(1日分)
6-8カ月 大さじ1~1.5くらい
9-11カ月 大さじ1.5~2 くらい
12-23カ月 大さじ2~3.5 くらい
これは食事・おやつを全て含めた、1日のトータル量です。
メニューに揚げ物がある場合は他の料理で油を使うのは控え、揚げ物がない場合はこのくらいの油で炒めもの・炒め煮などの調理法を行うように心がけるようなやり方が実践的です。
昨日はオイリーだったから今日はあっさり、というバランスの取り方でもいいかもしれません。
「油が極端に少ない食事にならないこと」と「油を摂りすぎないこと」の両方ともが、大事なことだそうです。
ただし、1回1回の食事で神経質にならずに、1週間単位で食事内容を、1カ月単位で体重増加を振り返って、調整できれば十分でしょう。
例えば、脂質が多い食材を毎日のように食べさせる場合は、脂質過多になって他の食材を食べる量が少なくなったり、体重が増えすぎたり(成長曲線がパーセンタイルの線と交わる角度になるような、急激な体重の増え方)していないか気をつけましょう。
補完食についてのWHOのガイドラインは【第3章まとめ|補完食は離乳食と別のものです】を読めば、全てが分かります。
行儀が悪い・食べない・食べ過ぎる・アレルギーなどについての悩みは【離乳食の悩みから解放されたい!補完食のヒント集】をどうぞ。
母乳と補完食のトータルカロリーは、以下の記事から計算しました。
母乳のカロリー:離乳食の10倍粥は薄すぎる!?補完食のカロリーの目安とはより
1日の平均哺乳量:1歳の子どもの、母乳と補完食の栄養バランス(図解)より
補完食のカロリー:WHOが定める補完食の質・量・頻度より
月齢別:1日に必要な総カロリー(母乳+補完食)
6-8カ月 約590 kcal
9-11カ月 約680 kcal
12-23カ月 約930 kcal
月齢別:補完食で補うべき油脂の1日分
6-8カ月 19~29 g
9-11カ月 22~34 g
12-23カ月 31~46 g
食用油によって純度が違うかもしれないので、カロリーも厳密には異なるかもしれませんが、問題を単純にするために1 gあたり9 kcalとして計算しました。
また、大さじ1=12 gとして計算しています。
2015/10/17更新
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