母乳不足の原因になる授乳の仕方

赤ちゃんが母乳を飲めていない原因のほとんどは、母乳の分泌不足ではありません。

 

十分な量を飲めていない場合は、多くは、授乳のやり方に問題があります。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害

7.10 母乳の不足と不足感

 

<授乳の要因>

母乳の哺乳量が少ない場合は以下のことが原因となっています。

 

授乳の開始の遅れ

産後初期に、赤ちゃんの要求に応じた母乳量が生産できない原因になります。

 

乳房への吸着が下手なこと

赤ちゃんが乳房から効果的に哺乳できない原因になります。

 

授乳の回数が少ないこと

授乳の間隔を決めていたり、夜間に授乳をしなかったりすると、単純に赤ちゃんが十分な量を哺乳できない原因となります。

授乳回数が産後8週間に1日(24時間)で8回以下、8週以降に1日(24時間)で5-6回以下だと少なすぎます。

 

授乳時間が短いこと

お母さんがとても急いでいたり、
赤ちゃんが飲み終わっていないのに、吸てつが止まったすきに口を離してしまったり、
赤ちゃんのくるみ方が暑すぎて、飲むのをすぐ止めてしまった場合は、
赤ちゃんは必要な量を哺乳することができないでしょう。
特に、脂肪分の多い後乳を飲むことができません。

 

哺乳瓶やおしゃぶりを使っていること

おっぱいを吸う代わりになってしまうので、哺乳する機会も減ってしまいます。
おしゃぶりを使う赤ちゃんは、哺乳時間が短い傾向にあります。

おしゃぶりを使っていることが、母乳育児がうまくいっていないことを疑う目印になったり、実際にうまくいかない原因になっていたりするでしょう(5)。
おしゃぶりは乳房への吸着を妨害するので、赤ちゃんが効率よく哺乳できなくなるからです。

 

母乳以外の飲み物や食べ物を与えること

赤ちゃんが哺乳する回数や哺乳量が減る原因となります。
その結果、乳房への刺激も減るので、母乳の生産量も減少してしまいます。

 

[関連記事]

  • 母乳育児の立ち上がりに大きな影響を与えるのは、お母さんの体質や根性ではなく、産科施設のシステムです。
    ※科学的根拠に基づいて推進されているのが赤ちゃんに優しい病院(BFH)

 

 

  • 授乳回数がよその親子や「平均値」と違っていても大丈夫です。
    授乳パターンは十人十色

 

 

 

 

母乳育児に必要なのは、運や根性より知識とスキル

哺乳不足の原因としてよくあるのは、母乳の生産能力は十分だけど、授乳スキルが不十分なこと。母乳育児は母子の組み合わせによって最適化する必要があるため、最初からスムーズにいかなくても自然なことです。

増えない体重・多すぎる授乳回数・長すぎる授乳・おっぱいの痛みを解決するには、ポジショニングのスキルが欠かせません。

授乳のタイミングなどについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。

2017/2/22更新

 

関連記事

コメント

    • はぐみ
    • 2018年 11月 03日

    出産直後に血乳が出て産院の指示で母乳をあげられませんでした。廃乳はしていたのですが熱心な産院ではなく自分でちょこちょこやっていたので後から思うと全然絞れていませんでした。
    その後直母を開始したのですが、切迫でおっぱいマッサージをしてこなかったことや元々扁平で硬い乳首のこともあり全く飲めない日々が2ヶ月になる頃まで続き、ほぼミルクで育ちました。2ヶ月を過ぎた頃から少しずつ飲めてきて、3時間以上寝ている時に行う搾乳量も順調に増えてきたのですが、3ヶ月を過ぎた頃から搾乳量が減ってきました。このブログで初動が重要だったと知りショックを受けています。今4ヶ月ですがやはり搾乳量が減ったままで子供もおっぱいを嫌がるようになってきました。初動が悪かったのでもう頑張っても増えることはないのでしょうか?増えないならばせめて量を維持したいのですがどうしたら良いでしょうか

    • 母乳育児に理解のない産院で十分なアドバイスも得られないまま、ご自分で4ヶ月以上も母乳育児を継続されてきたのですね。

      初動は、できるだけ楽に軌道に乗せるために重要ですが、はぐみさんはこれまでとても大変だったと思いますが、そのおかけで、かなり希望が持てる状態をキープできていると思います。

      今の状態が分からないので、これから母乳だけで足りるようになるかは分かりませんが、少なくとも、今より生産量を増やすことは可能だと思います。

      そのためには、搾乳を直母へ移行させることが、一番の近道かなと思います。
      直母のメリットは
      ・哺乳量が増えやすい
      ・哺乳びんを使わないので、乳頭混乱が悪化しない
      ・洗い物や搾乳をしなくていいので楽

      今はおっぱいを嫌がる様子があるとのことなので、授乳拒否の情報がお役に立てるかもしれません。

      いただいたコメントからは、様々な迷信の中で育児していらっしゃることが伝わってくるので、不安感を減らすために、母乳不足感など、このブログの他の記事もお役に立てると思います。

      お子さんのお世話で大変な時期に、情報を探すのも大変だと思いますが、納得できるやり方が見つかることを願っています。

    • とも
    • 2023年 10月 24日

    コメント失礼いたします。

    現在4か月目になる女の子を完母で育てていますが、3〜4か月健診で体重曲線が下がり傾向になり、体重の増えが悪いことを心配しております。

    医師からは、5か月頃から離乳食を始めて母乳以外から栄養を取らせるといいですね、と言われましたが、こちらの情報をもとに6か月から始めたいと思っています。

    授乳は1日に7回程度、両乳合わせて20〜45分、毎回赤ちゃんが口を離すまで吸わせています。
    3か月になってから遊び飲みが始まり、数日まともに飲んでくれない日がありましたが、部屋を暗くし添い乳することで改善してきました。
    ただ、添い乳後、ゲップをさせてみるもののなかなか出ず、後から吐き戻してしまうことも増えました。

    うんちは1日1〜3回、おしっこも正確な回数はわかりませんが、生まれてから特に減った感覚はありません。

    授乳回数を増やすべきと思いますが、機嫌が悪かったり眠かったり、そこまでお腹が空いていないのか、授乳しても飲まないこともあり、哺乳量が少ないタイプの赤ちゃんなのか、さほど増やせていない状況です。

    結果飲まなくても、頻回授乳をすべきでしょうか?もし何かアドバイスがあれば、お願いしたいです。よろしくお願いいたします。

    • こんにちは。体重曲線の経過が気になるけど、そんなに飲みたがらない様子を心配していらっしゃるんですね。
      体重が増えにくい、吐き戻しが増えた、そんなに欲しがらないという様子は、母乳過多のサインに見えたのですが、心当たりあることはないでしょうか?
      意外かもしれませんが、母乳過多の場合は体重の増えが悪くなることもよくあるので、過多を改善すれば、自然と授乳頻度と体重曲線がちょうどよくなる可能性があります。
      また、直母で授乳する場合は、ゲップは出ないことが多いので、気にしなくていいかもしれません。ゲップが出なくて吐き戻してるのではなく、飲みすぎで吐き戻ししている可能性があるのではないかと思います。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

理系育児オススメ記事

ページ上部へ戻る