何日頑張れば増える?母乳の生産能力の変化の仕方

母乳の生産能力は、授乳のパターンによって、常に変化します。

分泌を加速させる授乳の仕方なのか、減速させる授乳の仕方なのかに影響を受けるだけで、月齢が進むと足りなくなっていくわけではありません。


①「生産量」の変化

まず、母乳が生産される仕組みはとても単純なものです。

  • 分泌が加速するのは
    乳房が空っぽになった時
    授乳や搾乳による乳頭への刺激があった時
  • 分泌が減速するのは
    乳房に母乳が溜まっている間
    授乳(搾乳)間隔が空いている間

その理由は?

母乳の分泌を止める物質が、母乳中に入っている!?

母乳を作るホルモン、プロラクチン|母乳量の調節


②「生産能力」の変化

次に、WHOのガイドラインと、私の経験から得た印象では、

生産能力の変化(乳房のオン・オフの切り替え)は、数時間や1日などの短期間ではなく、数日~数週間の長期間で起こるようです。

1日単位で、どかんと生産量が増えたり減ったりするのではなく、授乳の仕方によって、生産が加速していく方向に引っ張られていく(または減速していく方向に引っ張られていく)ようなイメージです。

つまり、

  • 授乳や搾乳をすることで、頻繁に乳房を空にし、乳頭への刺激を与えていれば、数日くらいかけて、今よりも「母乳の生産能力」が上がっていきます。

逆に、

  • 乳房に母乳が溜まっている時間が増えてくると、数日~数週間かけて「母乳の生産能力」自体も下がっていくような感じです。

よくある授乳パターンの変化

仕事復帰や入院などで母子分離になった場合は、搾乳できなければ、その間、じわじわと乳房は「休止モード」へ向かうかもしれません。

夜間授乳をしない場合も同じです。

例えば、そのブランクが1日だけだったなら、乳房がオフに切り替わる暇はない(=母乳を乳房から除去した後は、分泌能力はすぐに戻る)かもしれません。

でも、それが何日も続いていくと、全体的にゆっくりオフモードに引っ張られていく(=母乳を除去したからといって、以前の分泌能力にすぐには追いつけなくなっていく)可能性があります。

「それまでと同じ調子で母乳を作り続けると多すぎるぞ」ということで、ホルモンの感受性が鈍くなったり、乳腺が一部後退し始めたりなどの変化があるのかもしれません。

だから、仕事などでの母子分離中にも搾乳することが大事と言われているんですね。

夜間授乳しない期間が続くと、いつの間にか母乳の生産能力が落ちてしまうこともあるんですね。

そして、仕事復帰後は、毎日帰宅後に頻回授乳することで、「全体的にオフモードに引っ張られていくのを、オンモードへ引っ張り返す」効果もあるんじゃないかなと思います。

関連記事→※仕事中に搾乳する時間がない場合にも、分泌維持するには?

2014/1/6更新

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コメント

    • かりん
    • 2018年 2月 05日

    はじめまして、7ヶ月の男の子を育てています。
    最近の健診で体重の増えが悪く、病院では要指導となりました。12月半ばくらいから体重が増えていません。
    今までは母乳のみでしたが、体重が増えていないので混合を検討していますが哺乳瓶やスパウトなどの乳首を嫌がるので飲みません。カップからなら少し飲みます。
    今から母乳量は増えるでしょうか?
    記事や本を参考に今までより授乳回数を増やし(1日6〜7回→9〜8回2.3時間に1回に)、水分もよく取るようにしました。
    ちなみに、5ヶ月半ばくらいから夜よく寝るようになり、夜間の授乳は減ってきていて昼の授乳間隔も少し長くなったように感じていました。
    授乳時間も短くなっていたのですが、単に出ていないので終わりにしていたのかもしれません。
    おっぱいでぐずっている時もあれば眠くてぐずっている時もありますが、正直見分けはつきません。寝なかったらおっぱいをあげていました。
    健診にいってから3日ほどですが、授乳回数を増やしたからか一回に出る量が少ないようですぐに離されてしまいます。
    それでも交互になんとか吸わせ続けて少しでも長く吸ってもらえるようにしています。
    子どもも健診の日から夜間起きるようになり、起こさずに授乳ができるようになったのですがもともとよく寝るので1回くらいです。

    長くなってしまいましたが、こんなやり方で増えていくでしょうか?
    いままで混合にせず母乳で育てたくてがんばってきたので、なんとか母乳育児を続けたいです。
    よろしくお願いします。

    • お子さんの体重推移と母乳の分泌を心配していらっしゃるんですね。

      WHOによると、一般的には、授乳回数6〜7回で分泌維持することは難しく、分泌量を増やしたい場合は8〜12回以上の授乳回数が必要なようです。
      8〜9回程度は、やはり少ないように感じますが、人によっては、それで増える可能性もあります。
      何度でも授乳することが嫌じゃなければ、母乳は増えると思います!

      お子さんの成長のために、離乳食の情報もお役に立てるかもしれません。

        • かりん
        • 2018年 2月 11日

        お返事ありがとうございます。
        あれから1日9〜10回に増やして授乳したところ徐々に子どもの飲みが良くなったように思います。深夜の張りも以前のように強めに張るようになり、少しずつ増えている気がします。
        またアドレスいただいたように補完食も始めていこうと思います。
        ご回答いただきありがとうございました。
        また気になることがあったら質問させてください。

    • ゆらん母ちゃん
    • 2018年 8月 28日

    こんにちは。もっと早くこのブログに出会いたかった、2カ月半の娘の母ちゃんです。

    母乳量をもっと増やしたく恐縮なのですが質問させていただきます
    逆子が治らず、予定帝王切開で出産したため、初めて直接授乳できたのは生まれた翌日でした。
    また、切迫早産で緊急入院したため、おっぱいマッサージも禁止されてましたので、乳首をうまく口に入れられずちゃんと吸えたのも生後5日目とかでした。
    スタートダッシュで完全に出遅れたのですが、徐々に母乳も慣れて吸うのには痛くもないし、よく飲んでくれるので問題ないと思うのですが、量が少なく悩んでいます
    ほかの記事も拝見させてもらったのですが、最近夜寝ると朝まで起きないため、夜間授乳ができてない状態です。
    1カ月の頃からスケールをレンタルしているのですが、明け方は90くらい、徐々に減って昼は20くらいまでになってしまいます
    2時間くらいで30とかなので中々上手くいかず。。
    ミルクを足しすぎたのでしょうか。。
    120-140に合わせようと、40-100ほど足していました。
    明け方はそのまま寝てくれるので母乳だけでしたが、日中はほぼミルクを足して1日300-400ほどミルクを飲ませていましたが、昨日予防接種のため病院で先生から夜だけミルクにしても大丈夫。とのことで今日から頻回授乳の日中母乳のみにしています。おしっこは出ていますが、今まで母乳で1日400を超えたことがありません。330-380くらいなのでいきなりミルクをやめていいものか心配です
    支離滅裂な文でごめんなさい、頻回授乳していると今からでも増えるでしょうか。

    • いっさま
    • 2019年 1月 18日

    こんにちは。
    1ヶ月と4日の娘がいます。私も早くこのブログに出会いたかったです。

    母乳不足でずっと悩んでいました。病院では直母で足りない分を(ミルクの量が目安)搾乳とミルクを足して哺乳瓶で飲ませるという指導でした。退院時も直母で10前後しか飲めておらずミルクを50ほど足すようにと指示され、1日6〜7回足してきました。
    授乳回数は10〜12回程度です。
    搾乳は1日1〜2回しており10〜20ミリほどしか取れない状態です。
    最近ベビースケールを購入し、哺乳量を測ってみると多くて40g程度でした。
    1ヶ月検診では1日あたりの増加が33gで問題ないと言われています。
    このままミルクを足していると母乳の量が増えないのではないかと思い、最近は40を1日5〜6回に減らしています。しかし、まとまって寝てしまうことが増え、3時間以上授乳間隔が開いてしまうこともあり、ミルクの量も減っているので足りていないのではないかと心配です。排便が2日以上ないときもあるので、飲む量が減ってしまったせいではないかとも思います。

    周りからは泣くと足りていないと言われ、でも母乳量を増やすにはどのようにミルクを減らしていけばいいかわからず困っています。
    今からでも母乳のみにすることは可能でしょうか?

    • こんにちは。お会いできてよかったです。
      ミルク推進の病院で指導を受けつつも、母乳育児を続けてこられたとのことで、たくさんご苦労もあっただろうなと想像します。

      母乳のみにできるかとのご質問ですが、授乳回数を十分にとられてきたので、可能性は大いにあると思います。

      そのためには、母乳育児の知識が必要だと考えられるので、ぜひこのブログのいろんな記事をご覧になってください。
      まずは、母乳不足感あたりから読まれると必要な情報が見つかるかもしれません。

        • いっさま
        • 2019年 1月 20日

        返信ありがとうございます。
        授乳姿勢はたしかに今までぎこちなく無理な力が入ってしまっていたかもしれません。
        座る高さの調節をしてもたれながら授乳するようにしてから少しリラックスできるようになりました。
        体重増加を見ながら少しずつミルクを減らしていこうと思います。

        夜間や朝方はまとまって寝るため4時間ほど授乳間隔が空いてしまいます。その時は搾乳したほうがいいのでしょうか?
        また搾乳は30分ほど頑張っても20ミリ取れるのが精一杯です。これ以上はなかなか増えないのでしょうか?
        オキシトシン反射で最初は良く出るのですが、すぐに出なくなってしまいます。

        • 授乳間隔が4時間くらい空いても、通常なら何も問題ないのですが、よく寝る赤ちゃんの場合は、少し大人主導で授乳した方がいいこともあります。

          私だったら、1日の授乳回数12回を目標にして、起きている時に回数をかせぐ→それでも少ない時は寝たまま授乳してしまうかなと思います。

          さらに、寝ていて全然飲んでくれないなら起こす→起こしても起きないなら搾乳して次の授乳で搾乳も飲ませる、という優先順位にすると効率がいいかなと思いますがいかがでしょうか。

          搾乳は、搾乳機を使った方がたくさんとれることもあります。数分くらい、最初に楽に出てくるだけをこまめに搾乳するだけでも、母乳を増やす効果はあると思います。
          ポジショニングで哺乳効率が上がっていくといいですね。

            • いっさま
            • 2019年 1月 22日

            横抱きだと顎が浮いてきてしまいなかなか上手くいかないのですが、縦抱きを試したところ横抱きよりごくごく飲む音がして飲みやすいようです。
            横抱きで飲めていない分を縦抱きで飲ませるという方法にしていこうと思います。

            やはり時間が空きすぎる時は待っているよりは起こして飲ませたほうがいいのですね。
            搾乳機を使うことも考えていきたいと思います。
            ありがとうございます。

    • ちょびこ
    • 2019年 2月 09日

    はじめまして。現在1ヶ月半の男児の母です。ブログを参考にしながらミルクを減らすべく試行錯誤していますが、母乳不足感に悩んでおります。
    入院時はほとんど乳腺が開通しておらず哺乳量4gとほとんど出ていなかった為、退院したらひたすら頻回授乳をするつもりだったのですが、黄疸が出てしまい子供の退院が延びてしまいました。子供の退院時には母乳の分泌が一回20mlくらいだった為、ミルクを3時間毎に60〜80ml補足するよう指示されていました。
    その後、黄疸の数値も落ち着き1日10〜15回の頻回授乳をしながらミルクを1日4〜6回40〜80mlに減らして3日後に訪問した保健師に授乳前の体重測定をしてもらった際、前回の授乳後の測定値から体重が減っていると指摘を受け、ミルクを毎回80mlにするか1日6回60mlに増やすよう指示されました。
    しかし、測定日の間隔があまりにも短い事に納得できなかったのと出来るだけ早くミルクを減らしたいということで保健師の指示には従わずミルクは1日250ml以内の補足を続け1ヶ月健診で26g/日の増加となりました。
    現在、自宅で哺乳量を測定すると15〜50mlしか飲めておらず授乳時間は左右両方で平均30分、長いと片方30分離さない事もあったり、授乳間隔も1時間以内になる時もありかなり短い事、ミルクを足しているのに26g/日の体重増加では少ないのではないかと思い、頻回授乳を続けているのになかなか母乳量が増えず悩んでおります。
    また持病でバセドウ病があり、産後初めての血液検査で甲状腺機能が低下していて母乳の分泌が悪くなる事もあると言われたのですが、思うように母乳量が増えないのはやはり甲状腺の機能と関係があるのでしょうか?
    今後どのようにしてミルクを減らしたらよいのか、この様な状況で完母になる事は出来るのでしょうか?

    • はじめまして。入院が長くなったりと大変でしたね。
      今のやり方でいいのか、今後の展開はどうなるのか気になっていらっしゃるんですね。
      今は、ミルクを300-400 mL/日飲ませていても、そんなに心配しなくて大丈夫かもしれません(可能ならカップフィーディングであれば母乳育児の邪魔になりにくい)。

      本題ですが、いただいたコメントからは、申し訳ないですが、母乳不足なのかどうかはよく分かりませんでした。
      母乳が飲めているかの判断は、母乳不足感の情報がお役に立てるかもしれません。
      g/日では判断できませんが、1週間おきの体重推移なら、信頼できます。

      また、甲状腺機能亢進ではなく、低下でしょうか?
      甲状腺機能低下症は、高プロラクチン血症(母乳過多になりやすい)の原因になるという情報はたくさん見つかりましたが、亢進とどのような関係があるかは、まだ情報を得られていません。

      体重推移が分かれば、この調子でいいのか判断しやすくなるかもしれません。
      また、授乳頻度に問題があるかどうかは、授乳パターンの情報もお役に立てると思います。
      お忙しい中、色々読むのも大変だと思いますが、また不安になることが出てきたら、もう少し詳しい情報を教えてくだされば、一緒に考えてみますね。

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