母乳不足と不足感の対処法|不足感の場合

赤ちゃんがしょっちゅう泣く場合、いつまでもおっぱいを離さない場合、おっぱいが張らないない場合、母乳が足りない気がしてしまいますが、それはあくまで足りない気がする「不足感」です。

母乳不足感は、お母さんが自分の体や自分のやり方、子どもとのコミュニケーションなどに自信を持てなくなっていることに一番の問題があります。

本当は赤ちゃんは十分な母乳を飲めているのに、お母さんが「不足感」を感じている場合、どう対処するべきかのガイドラインです。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害

7.10 母乳の不足と不足感

 

<母乳不足と不足感の対処法>

ヘルスワーカーは、授乳歴を把握し、お母さんが授乳についてどんな困難を感じているのかを理解するために、カウンセリングの技術を用いるといいでしょう。

心理的要因が授乳に影響している時は、特に有効です。

授乳を観察して、赤ちゃんの乳房への吸着の仕方をチェックするべきです。

お母さんの体の状態と、赤ちゃんの状態や体重にも注目するべきです。

ヘルスワーカーは、授乳の困難さが「哺乳不足」なのか「不足感」なのか判断しなければいけません。

 

「不足感」の場合、ヘルスワーカーがするべきこと

  • 不足感の理由を見極めましょう
  • 授乳のどんなところに悩んでいて、どうすればうまくいくようになるのかを、お母さんに説明しましょう
  • 授乳の技術と授乳時間・頻度を改善する方法を話し合い、赤ちゃんの乳房への吸着の仕方を改善するために介助を行いましょう。
  • 赤ちゃんが母乳を吐きやすい場合は、赤ちゃんを、より直立の姿勢になるように抱っこすることを提案します。
  • カウンセリングの技術を用いて、どんな心理的要因があってもサポートし、お母さんが母乳育児に自信を持てるようにしましょう。

 

「お母さんが母乳育児に自信を持てるようにしましょう」というキーワードは、とても重要です。

母乳育児を続けるためには、お母さんが自信を持つことが不可欠だということが明らかになっているからです。

 

そのため、乳幼児の栄養法についてのWHOガイドラインには、母子の健康に責任のある専門家のためのコミュニケーションスキルについても、多くのページを割いて記述してあります。

お母さんの周囲の人たちがどのような言葉がけをするかが、赤ちゃんの成長にも影響するということなんですね。

 

多くのお母さんが経験する母乳不足感

一般的に、赤ちゃんの様子で困ったことがあると、何かとおっぱいのせいにされがちです。

そのため、たとえ必要以上に母乳が作られていたとしても、「母乳が出ていない」と感じることも珍しくありません。

母乳育児を軌道に乗せるために必要なのは、運や根性ではなく、知識とスキルです。

張らないおっぱい・少ない搾乳や直母量に不安を感じたら、母乳不足感の知識が、迷信を撃退し、自信を持って母乳育児をする助けになります。

2017/2/22更新

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