乳頭混乱と母乳不足の板挟みを解消したい

母乳が足りないと思って哺乳瓶でミルクも飲ませていたら、直母を拒否するようになってしまった…よくある乳頭混乱のパターンです。

乳頭混乱の克服には、哺乳瓶をやめることが効果的ですが、いろいろな理由でやめられないこともあると思います。

現実的なアプローチとして、次の2つを同時進行で進めてみるのはいかがでしょうか。

①不要なミルクは減らす

②カップフィーディングを特訓する(やり方は下にリンクあり)


①そもそも、このミルクは必要?

周囲の人たちから「体重増加がイマイチ」「ミルクも飲ませなさい」とアドバイスされた場合は、その判断の根拠が重要です。

成長曲線とおしっこをチェックし、授乳についてのカウンセリングを経たうえでの指示なら信頼できます。

そうでないなら、単なるミルク推しな可能性が高いので、「そんなに必死にミルクを飲ませなくても大丈夫かもな〜」と少し肩の力を抜いていいと思います。

足りているか正確に判断する方法→※母乳不足に関する記事まとめ

ミルクの減らし方のヒント→※補足量別・ミルクの減量スケジュール


②カップフィーディングがうまくいかない?

哺乳瓶に慣れたお母さんは「コップだとうまくいかない」と感じることもよくあるので、その考えられる理由をまとめました。

・コップは拒否するけど哺乳瓶なら飲む

哺乳瓶で乳汁を与えると、過飲・過食傾向になるという研究結果や、ミルクの方が母乳より体重が増えやすいと錯覚されていたことなど、赤ちゃんの満腹中枢に関する様々な事象を総合すると、「どうやら哺乳瓶は、赤ちゃんが食欲をコントロールしにくいものらしい」という印象があります。

それに対して、コップは「赤ちゃんは満足したら口を閉じてそれ以上飲もうとしない」と、WHOのガイドラインに書いてあるように、食欲もコントロールしやすいようです(WHOはミルクのみで育つ赤ちゃんにも、カップフィーディングを推奨している)。

つまり、コップから飲まない、という場合は、「もうお腹いっぱい」という可能性を、まず考えてみるといいんじゃないかなと思います。

・飲ませようとしたら暴れる

直母しても泣きやまない→足りないのかな?と思ってミルクを飲ませようとする→暴れる、という謎行動。

この時忘れがちなのが、「眠くてぐずっている」という可能性です。

眠くなると激しくぐずる赤ちゃんは珍しくないし、一度落ち着かせてから飲ませようとしても暴れるようなら、お腹は空いていないのかもしれません。

・やり方がよくない可能性を消しておくと安心

カップフィーディングがうまくいかない場合、赤ちゃんが落ち着いているタイミングで、何回かトライしてみるといいかもしれません。

それで飲めれば、やり方は合っているということです。

つまり、赤ちゃんが飲まないときは「いらないんだな」と、自信を持って判断しやすくなります

技術的な話はこちら→※カップフィーディングのやり方(図解)


本当に母乳が出ていないのが原因?

乳頭混乱と母乳不足感の板挟みで悩むお母さんに多いのが、何か困ったことがあると、その理由として、真っ先に「母乳が出ていないから?」と考えてしまうことです。

例:直母すると、怒っているように感じる時がある

パターンA:「母乳が出てないのかな?」「私が〇〇食べたから母乳がおいしくないんだ」などと、母親側に原因があると考えてしまう場合

→お母さんは自信を失いやすく、しかも、それにのっとって改善を試みても、根本解決につながりにくいのです。

パターンB:「上手におっぱいに吸着できてないのかな」「眠いのかな」などと、赤ちゃんの様子に注目しようとする場合

→お母さんは自信を失いにくく、しかも、根本解決につながりやすくなります。

適切なサポートを受けられたお母さんとそうでないお母さんとで、思考回路が分かれてしまうんですね。

困ったことがあった時に、ちょっと客観的に理由を考えることを繰り返すうちに、赤ちゃんのサインの意味も読み取れるようになっていくかもしれません。

多くのお母さんが経験する母乳不足感

一般的に、赤ちゃんの様子で困ったことがあると、何かとおっぱいのせいにされがちです。

そのため、たとえ必要以上に母乳が作られていたとしても、「母乳が出ていない」と感じることも珍しくありません。

お母さん自身が知識を身につけて、少しでも気持ちに余裕を持てるように、応援しています。

張らないおっぱい・少ない搾乳や直母量に不安を感じたら、母乳不足感の知識が、迷信を撃退する助けになります。

増えない体重・多すぎる授乳回数・長すぎる授乳・おっぱいの痛みを解決するには、ポジショニングのスキルが欠かせません。

授乳拒否の対処法などは、飲まないを参考にどうぞ。

※この記事では、直母で育てた方が精神的にも労力的にも楽である場合を想定して書いているので、特別な状況では、それに応じてベストな方法を選んでみてください。

2017/5/13更新

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

理系育児オススメ記事

ページ上部へ戻る