食物アレルギーで怖いもの・怖くないもの|アレルギーと離乳食
食物アレルギーを発症すると、じんましんや咳や下痢などの症状が出ると言われていますが、一番怖い症状とは、やはり生命に関わる重篤なもの(アナフィラキシーショック)ではないでしょうか。
これには即時型アレルギー(食べて2時間以内に症状が出る)タイプと、食後に運動した場合だけ出るタイプがあるようです。
重篤なアレルギーを発症しないかどうかは特に注意が必要ですが、一般的なアレルギーは、もう少しリラックスして対応していいようです。
発症するのか?しないのか?とそんなに怖がらなくてもいいんです。
食物アレルギーを発症したとしても、その食材を避ければ症状は消えます。
<予防的除去食について>
アレルギーが心配だからと、アレルゲンは最初から食べさせないようにする動き(予防的除去食)が広まっていますね。
そのように特定の食材をあらかじめ除去し続けることで、アレルギーを発症する体質の子どもを、発症しない体質へと予防的に改善することはできるのでしょうか?
…答えは、「現時点では証明されたことがない」です。
参考:アレルゲン除去食で予防はできる?アレルギー予防と補完食
さらに、2015年に発表された食物アレルギーに関する大規模な調査結果によると、完璧な予防的除去は、むしろアレルギーの発症率が上がることが示唆されています(NHKスペシャル「新アレルギー治療」より)。
「アレルギーの症状が出たらアレルギー体質に一気に進む」のではなく、症状が出るかどうかはその時その時で決まっていて、そこに該当するアレルゲンが遭遇すると発症するイメージが近いようです。
体が成長するにつれ、食材のタンパク質に対してはアレルギー反応を起こさなくなっていく(免疫が反応しにくくなる=免疫学的寛容の獲得)という仕組みもあるそうです。
<除去食の目的は?>
アレルギー反応が出たらアウト!なのではなく、それは消化吸収能力や免疫システムからの「今はまだ対応できないよ」という体のサインなんだということなんですね。
まだ対応できないものは、「対応できるようになるまでは、食べないように気を使ってあげよう」、というのが除去食の考え方なのです。
赤ちゃんに「これはできるかな?」と運動能力を確認しながら成長を待つのと同じように、
「これは食べられるかな?」と摂取能力を確認しながら成長を待ってあげるイメージですね。
私が信頼する近所の小児科医は、食材は全て「少し食べさせてアレルギー症状が出ればお休みする(しばらく食べさせるのを止める)」のを推奨していて、最初は「そんな適当なことで大丈夫なの?」と思っていたのですが、どうやらそれでいいようです。
※タグ#アレルギーから、アレルギーに関する話をまとめて読むことができます。
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2017/3/1更新
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