母乳の生産量が少なくなりうるお母さんの体の状態

「母乳が出ない体質」という言葉をよく聞きますが、正確にはどういうことなのでしょうか。

母乳の生産量が少なくなる原因として考えられる、お母さんの体についての説明です。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害

7.10 母乳の不足と不足感

 

<お母さんの体の状態>

次のような理由で、母乳の生産量が少ないお母さんはわずかにいます。

  • 内分泌の問題…大量出血による下垂体不全や、胎盤の一部が子宮内に残っている場合
  • 病理学的な理由…乳腺の発育不全など

 

はっきりした理由もなく、生理学的な理由で母乳の生産量が少なく、授乳の技術や授乳時間や頻度を改善しても、生産量が増えない人もわずかにいます。

 

一時的に母乳の生産量が減る様々な要因としては、ホルモン含有の避妊ピルの服用・妊娠・深刻な栄養失調・喫煙・飲酒があります。

 

<解説>

●母乳の分泌に必要なホルモンのオキシトシンプロラクチンは、下垂体から分泌されます。

なので、下垂体不全になるとこれらが分泌できなくなって、母乳の生産が低下する可能性が考えられます。

 

●妊娠ホルモンと呼ばれるエストロゲンやプロゲステロンは、「プロラクチンが母乳を作る働き」をブロックしてしまいます。

妊娠中は母乳が出にくい理由

 

つまり、以下は、妊娠ホルモンがプロラクチンの働きをブロックしてしまうことで、母乳の生産が低下する可能性があります。

  • (妊娠ホルモンを作る)胎盤が、体に残っている場合
  • ホルモン含有の避妊ピルを飲んだ場合
  • 妊娠した場合

2013/7/6更新

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