産科施設を退院する前に身につけておくべきスキル
病院で赤ちゃんを出産し、退院した後に、「これを教えてもらっておけばよかった!!」と後悔した経験から、退院するまでに身につけておきたいスキルと知識をまとめます。
●授乳クッションを使わずに、確実にできる授乳スタイル
母子の組み合わせによって、お母さんの授乳姿勢には向き不向きがあります。
帝王切開で出産した場合は添い乳が楽だったり、低出生体重の赤ちゃんは交差横抱きがやりやすかったり、口唇口蓋裂の赤ちゃんは縦抱きが向いていたりもします。
ポジショニングの知識のある助産師さんに授乳介助をお願いすると、超絶技巧で授乳クッションの高さを微調整し、脇にも背中にも座布団やらブランケットやらセットしてくれます。
そして、
「どうですか?」
「すごく楽です!(感動)」
というやり取りをしても、帰宅後、(一人でどうやって再現するの?毎回授乳するたびに?無理じゃない?)となることに、出産2人目にしてやっと気づきました(遅い)。
たった一つだけでもいいので、いつでもどこでもとりあえず授乳だけは確実にできる「授乳姿勢の十八番」を身につけられれば、のちのサバイバルに非常に有利になるでしょう。
母乳育児はスキルが重要!
産後の母乳育児の三大ハードル「授乳できない・母乳が出ない・授乳が痛い」の大きな原因の一つは、スキル不足です。
熟練したスキルを持つ助産師さんに出会えなかった場合や、すでに退院してしまっている場合は、タグ【ポジショニング】で、授乳の姿勢・効率の良い哺乳の見分け方などをチェックしてみてくださいね。
●手で搾乳する方法
直母のみでやっていきたいと思っていても、いつ何があるかは分かりません。WHOも、搾乳は授乳中の女性に必須のスキルだと言っています。
その割に、教えてもらう機会はほぼないので、自分から聞く必要があります。
その際、
「搾乳の仕方を教えてください」
「こんな感じよ」
では、いざ自分でやろうとすると「全然できない!」となる可能性が高いです。
単なる指使いのノウハウを知るのと、実際に最後まで継続するのでは、全然イメージが違うからです。
人によってオキシトシン反射の強さや母乳を溜められる量も違うので、「自分の場合」で、やり方が合っているかどうか・止め時はいつかを確認しないと、迷宮入りする危険性が高いのです。
このブログの搾乳の記事も、毎日、やり方に悩むたくさんのお母さんたちからのアクセスがあります。
搾乳の熟練したスキルをもつ助産師さんに出会えなかったら→※正しいやり方は痛くない!手で搾乳する方法
●カップフィーディングのやり方
哺乳瓶は、直母ができなくなる乳頭混乱のリスクがあるので、特別な事情がない限り、使わない方がいいかもしれません。
「哺乳瓶使っても平気だよ」と言う先輩ママや専門家もたくさんいると思いますが、いつまで哺乳瓶と直母を両立できるかは赤ちゃん次第・運次第のようなので、「うちの子は乳頭混乱になるタイプだったのか…!」と分かってから後悔するより、可能なら、あらかじめ避けておいた方が無難です。
産まれたばかりの赤ちゃんでも、コップで搾乳やミルクを飲むことができます。
コップ授乳に慣れている方は、赤ちゃんの月齢に関係なく、本当に簡単そうに飲ませます。
でも、やったことがないと「できないよー(赤ちゃんが下手なのか自分が下手なのかは不明)!」となるかもしれません。
一度でも自分の赤ちゃんがコップで飲むところを見ておけると、「少なくとも赤ちゃんはできるんだな(あとは自分がコツをつかめばいいんだな)」、という判断もできるでしょう。
カップフィーディングができる医療者に出会えなかったら→カップフィーディングのやり方(図解)
母乳の生産量をちょうどよくする授乳方法や、効率よく母乳を飲むためのスキルを身につけるには、ポジショニングが欠かせません。
母乳が増えたり減ったりする仕組みについては母乳の生理学もどうぞ。
書籍「ちょっと理系な育児(母乳育児編)」にも、母乳育児の立ち上がりやトラブル回避のための情報がまとめられています。
2017/5/13更新
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