産後早期に母乳育児を諦めた理由トップ3
妊娠中は母乳育児がしたいと思っていたお母さんが、産後、やめてしまうのはなぜでしょうか。
1994年に行われた調査で、その理由の一部が明らかになっています。
この論文は、陥没・扁平乳頭という、潜在的に母乳育児のハードルがある女性を対象にした調査結果ですが、それに関係なく、全ての女性に共通した課題が浮き彫りになってきました(前回の記事の続きの話)。
母乳をやめた最も多い理由:
- 赤ちゃんに授乳するのが難しかった
- 母乳が足りないと思った
- 乳首や乳房の痛み
陥没・扁平乳頭の女性でも母乳育児を成功させることができるにも関わらず、この調査に参加した女性の多くは、
「母乳をあげようとすることでさえ、やる気がなくなってしまうようなことを、介助者にたくさん言われたりされたりした」
と証言した。
陥没・扁平乳頭の女性と、その介助をする方々は、母乳育児は可能なんだということを自信を持つべきです。
全ての女性に共通して言えることですが、赤ちゃんに母乳を与え始めた女性は、母乳育児が確立するまで、スキルのある介助と産後のサポートが必要です。
例えば、
- ポジショニングの介助
- 授乳にかかる時間や間隔を制限しないこと
- 哺乳瓶を使わないこと
- 知識が豊富な人物による継続したサポート
が必要です。
<原文>
The MAIN Trial Collaborative Group. Preparing for breast feeding: treatment of inverted and non-protractile nipples in pregnancy. Midwifery. 1994 Dec;10(4):200-214
あきらめてしまった理由は、もう、どれもあるある!という感じですよね。
母乳育児に苦労したことのあるお母さんなら誰でも、経験があるのではないでしょうか。
一つ一つ、解決法をおさらいしてみます。
・赤ちゃんに授乳するのが難しかった
ポジショニングと乳房への吸着の仕方の問題ですね。
これは授乳介助するスタッフの力量に左右されてしまうので、「いかに信頼できる産科施設を選ぶか」が重要です。
近くにBFHがない場合は特に、母乳育児がうまくいくかどうかはお母さん自身の知識量にかかっています。
タグ#ポジショニングから、効果的に母乳を飲むために必須の情報を知ることができます。
・母乳が足りないと思った
いわゆる「母乳不足感」ですね。
本当は足りているのに不安になってしまうのは、周囲の専門家や家族によるアドバイスが間違っていることがとても多いからなんです。
タグ#母乳不足感から、母乳不足を正確に見分ける方法や、よくある不安を吹き飛ばせるような情報を知ることができます。
・乳首や乳房の痛み
授乳の仕方がよくないことが最大の原因になりえます。
母乳育児は、痛みに耐えながら頑張らなければいけないものじゃないんですね。
タグ#授乳の痛みから、トラブルを我慢し続けるのではなく、根本解決するためのヒントを知ることができます。
<理想と現実のはざまで>
BFHの認定率100%の国もありますが、日本は2-3%程度だし、母乳育児に関しては、「専門家に任せていれば大丈夫」「専門家がそういうならそうなのだろう」と思っていたら、甘いのですね。それはもう、角砂糖のチョコフォンデュ並に甘いです。
日本でも、「母乳育児をしようとしているお母さんががっかりするようなこと」を言ってしまう人はゴロゴロいますから、たとえ迷信的アドバイスを言われたとしても笑い飛ばせるような、たくましいお母さんになりたいものですね。
2017/4/15更新
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