乳児湿疹との付き合い方③ステロイドの使い方

ステロイドは怖い!と言われていますが、乾燥が原因の乳児湿疹に使う分には、怖がらなくて大丈夫です。

いつ、どこに、どのくらい塗ればいいかの目安をまとめました。

 


●どういう場合に使うべき?

→赤ちゃんが肌をかく場合

 

ステロイドは、「肌荒れを治す薬」というよりも、「一定時間、かゆみをやわらげる薬」というイメージの方が近いと思います。

「赤ちゃんがかく・触る」=「かゆい」と判断します。

かゆくなくなると、本当に触らなくなるので、信頼できる判断方法だと思います。

 

逆に、湿疹などがあっても赤ちゃんが触らない場合は、ステロイドは塗らなくていいそうです。


●何を塗る?

→ステロイドとワセリンを混ぜたもの

 

肌荒れは小児科か皮膚科か迷いますが、ステロイドはぜひ小児科で処方してもらいましょう。

小児科で処方された場合は、あらかじめ薄めてある(商品名の付いていない容器に入っている)と思います。

チューブに入ったままのものを処方された場合は、ステロイド:ワセリン=12または13くらいに薄めて(よく混ぜて)使います。

 

ご存じのように、ステロイドはその(吸収の)強さから、ランク分けしてあります。

ワセリンで薄めた場合は、処方されたもののランクが高くても、心配ないそうです。

また、特に0歳の赤ちゃんは、症状が重くても、「チューブから出したステロイドを肌に直塗り」は厳禁だそうです。

 


●どこに塗る?

→見た目と、「赤ちゃんがかゆがるか」で判断

 

ブツブツができている部分・荒れている部分・かきむしった傷の部分・手触りがザラザラしている部分など

血や滲出液が出ている部分は、かなりかゆいので、必ず塗ります(傷口に直接塗る)

症状がない部分にはできるだけつかないように、ピンポイントでちょんちょんと塗ります。

 

※滲出液が出ている場合(ジュクジュク)は、必ず受診してください。


●いつ塗る?

→症状の重さによって113

 

軽い場合は、夜、お風呂上がり15分以内1

それでも改善しない場合は、朝も1回プラス(12)

それでも改善しない場合は、昼も1回プラス(13)

 

ステロイドは一定時間かゆみをやわらげる薬なので、症状が軽い場合は1回で24時間もつかもしれませんが、かゆみが強い場合は効果がすぐ切れて、かきむしってしまうかもしれません。

その場合は、2回塗れば12時間おきにカバーできる、3回塗れば8時間おきにカバーできる、という感じで増やします。

3回までは問題ないというお墨付きをもらっています。

 

かなり悪化しても、13回塗っていれば、薄めたステロイドでも十分に効果があるようです。

改善すれば2回や1回に減らし、また悪化すれば増やし、という風に、様子を見て調整します。


●どのくらいの量を塗る?

必要最小限

 

「塗った後に、ティッシュで拭きとれそうなほどたっぷり」塗らなくても、効果はある印象です。

でも、症状の重さによっては、副作用を心配して「ごく少量」にしすぎると効き目がないかもしれません。

塗った数分後に、赤ちゃんがかゆがるかどうかで判断し、それぞれのタイミングでの「必要最小限」を探ってみてください。


●保湿剤とステロイドを塗る順番は?

→保湿剤が先

 

ステロイドを先に塗ると、保湿剤を塗る時に、ステロイドも一緒に塗り拡げられてしまいます。

先に保湿剤を広く塗って、その上からステロイドをちょんちょんと塗ります。


●どのくらいの期間塗る?

→かくのをやめるまで。

 

ワセリンで薄めたステロイドなら、たとえ1カ月くらい毎日塗り続けても、副作用が出る心配はまずないそうです。

実際は、「塗らない日が出てきたり、また湿疹ができ始めて塗ったり」を繰り返しながら夏が来るのを待つ感じになるのではないでしょうか。

 

保湿をしっかりすれば、より、肌荒れはしにくくなります。

保湿をせずにステロイドだけを塗っても、なかなか改善は難しいかもしれません。


●ステロイドを塗るのをやめて、また再発したらどうする?

→また塗ります。

 

赤ちゃんの肌が丈夫になる年齢まで、または湿度の高い季節が来るまでは、肌が乾燥するたびに、乾燥性湿疹は繰り返す可能性があります。

治ったり荒れ始めたりを繰り返しながら、半年以上続くかもしれません。

 

ステロイドは「肌荒れを治す」のではなく「かゆみをやわらげる」薬なので、かゆそうなら、塗った方が悪化しにくいでしょう。

ステロイドなしで頑張ろうとすると、赤ちゃんがかゆくてかき壊してしまい、かなり重症になってしまうかもしれませんが、「1回塗ればすぐに改善する」程度にコントロールできていれば、それで十分だと思います。

 

「乳児湿疹の治し方」ではなく、あえて「乳児湿疹の付き合い方」というタイトルにしているのは、保湿とステロイドでコントロールしながら、肌が丈夫になるのを待つスタンスを表しています。

 

ステロイドが効果的な湿疹とは?→※乳児湿疹との付き合い方①湿疹の原因

保湿は何を・いつ・どのくらい塗ればいいの?→※乳児湿疹との付き合い方②保湿の仕方

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