生後半年間は母乳の方が急速に成長する
母乳で育つと体重増加速度は遅いものと思っていませんか?
「母乳で育つ子の体重はゆっくり増える」という常識は、事実とは違っているようです。
今回はWHOによる補完食の指導原則10カ条の原則1.の前半部分、母乳についての話です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第3章 補完食
3.1補完食の指導原則
原則1.産まれてから月齢6カ月になるまでは母乳のみを与え、6カ月(180日)から、母乳育児と並行して補完食を始めましょう。
月齢6カ月まで母乳のみで育てることは、母子ともにいくつかのメリットがあります。
そのうち主なメリットとしては、発展途上国だけでなく、先進国においても、消化器系の感染症から守ってくれる効果が認められました。
WHOの成長曲線からは、母乳のみで育った赤ちゃんは他の赤ちゃんに比べ、生後6カ月間に、より急速に成長することが分かります(4)。
生後6カ月間は母乳のみでいいんですね。
ただ、日本では、多くの産科施設で、産後入院中は赤ちゃんが欲しがるだけ母乳をあげられないシステムになっています。
その結果、
- 母乳中に含まれる成長因子で、腸が十分に成熟できない
- 授乳回数が少ないために、母乳の生産量が増えない
- 哺乳瓶を使ったせいで、赤ちゃんの哺乳の仕方が下手になる
などのハンデがある上での母乳育児になってしまっているんです。
だから、「母乳はミルクより体重の増え方が遅い」と言われているのかもしれませんね。
産科施設で適切な栄養管理ができるようになれば、母乳で育てられるお母さんがもっと増えるだけでなく、「生後半年で急速に成長し、その後落ち着く」というイメージが、日本でも一般的になるのかもしれません。
補完食についてのWHOのガイドラインは【第3章まとめ|補完食は離乳食と別のものです】を読めば、全てが分かります。
行儀が悪い・食べない・食べ過ぎる・アレルギーなどについての悩みは【離乳食の悩みから解放されたい!補完食のヒント集】をどうぞ。
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2017/4/7更新
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