母乳を飲むと予後もよくなる|低出生体重児の栄養源の優先順位
お母さんが産後すぐに授乳や搾乳ができない場合など、お母さんの母乳以外の栄養を与える必要があることもあります。
低出生体重で産まれた赤ちゃんの、栄養法の優先順位のガイドラインです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第6章 例外的に困難な環境の乳児の適切な栄養法
6.1.1 何を与えるべきか?
妊娠期間にかかわらず、全ての低出生体重児にとっては、そのお母さんの母乳が一番です。
母乳は、低出生体重児が必要とする栄養に、特に適したものになっています。
お母さん自身の母乳を赤ちゃんに飲ませることで、感染症にかかりにくく、長期的な予後が良くなることが、
信頼でき、一貫性のある科学的証拠(1)によって示されました。
全ての低出生体重児が、出生後初日から直母できるわけではありません。
効果的な哺乳ができない赤ちゃんは、代わりに、口から飲ませる方法(コップ・スプーン・口に直接搾乳する)または、胃へのチューブを使って搾乳を与えられなければいけません(第4章4.6参照)。
直母できないような状況では、低出生体重児に栄養を与えるために、利用可能な選択肢の優先順位は次の通りです。
1.赤ちゃん本人のお母さんの搾乳
2.提供された(別のお母さんの)母乳
3.調製粉乳
-出生体重が1500 g以上の乳児には標準的な調製粉乳
-出生体重が1500 g以下(極低出生体重)の乳児には早産児用の調製粉乳
低出生体重で産まれた赤ちゃんにとって母乳が優れている理由は、その成分に秘密があります。
同じ母乳でも、別のお母さんの母乳よりも本人のお母さんの母乳の方がさらに適しているなんて、不思議ですね。
その理由の一部も、母乳の中身を見ると分かります。
搾乳をより楽に、たくさんするためのコツや基礎知識は、タグ#搾乳をどうぞ。
どうやって授乳する?体重増加速度はどのくらい?など、低出生体重児についてのWHOのガイドラインはこちらからも読めます。
2017/4/6更新
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