離乳食と母乳の関係
「母乳は1歳を過ぎると栄養的に意味がない」と、誰が言い出したのでしょうか。
離乳食が進まないと断乳指導されたり、○カ月を過ぎると母乳の栄養はなくなるから止めて牛乳を飲ませましょうと指導されたりしたことも、あるかもしれません。
離乳食を始めた後、母乳の栄養面での役割はどうなるのでしょうか。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第1章 乳幼児の栄養法を適切に行うことの大切さ
1.5 適切な栄養法の科学的証拠
~6カ月からの補完食(離乳食) ②~
補完食を始めた後でも、乳幼児にとって、母乳は重要な栄養源です。
一歳までは乳児が必要とするエネルギーの半分以上を母乳でまかなうことができます。
一歳から二歳の間は必要なエネルギーの3分の1までを母乳でまかなうことができます。
母乳は補完食よりも質の良い栄養と、赤ちゃんを守ってくれる物質をずっと供給し続けます。
なので、適切な補完食と一緒に、欲しがるなら2歳以上まで母乳を飲ませた方がいいのです(13)。
母乳は栄養学的には2歳以上まで与えた方がいいのですね。
月齢が進んでも、母乳の栄養も免疫成分もなくならないのです。
WHOのガイドラインでは、6ヶ月から23ヶ月の子どもは栄養的に不利になりやすいので、母乳と食事はお互いに足りないものを補い合うパートナーとして、どちらも重要だと考えられています。
<目的があいまいな「日本の離乳食」>
一方で、「離乳食」というネーミングは、母乳と食事が対立関係にあることをイメージさせます。
一昔前、10カ月断乳などの早期断乳が日本で流行していた時代の名残なのでしょうか。
厚生労働省は、「授乳・離乳の支援ガイド」で
「乳汁から幼児食へ以降する過程を”離乳”という」
とする一方で、
「”離乳の完了”は、母乳やミルクを飲んでいない状態を意味するものではない」
と矛盾した注釈を書いていましたが、「離乳食」という言い方をするから目的が混乱するのだと思います。
「補完食」と考えれば、こんなことで悩む必要はなかった!と気付けることもたくさんありそうです。
WHOによる補完食のガイドラインまとめはこちらから
離乳食のよくある悩み解決のヒントはこちらから
2017/1/28更新
コメント
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こんにちは。ドイツ在住で完母で生後6ヶ月の女児を育てております。
母乳育児の時からとても参考にさせて頂いております。
離乳食についてまた疑問が出て来て調べているうちにこちらにたどり着きました。
ドイツではあまり完全母乳育児の人が少ないのと離乳食を始めるのが
日本よりも早い傾向があり4ヶ月から始めてる人も少なくありません。
また日本の育児本などを読んでいても何故離乳食が必要で適切な時期はいつかというのが
いまいち理解しきれなくて腑に落ちないまま5ヶ月になった日に始めました。
始めるにあたってとても勇気がいるのと同時に寂しくて前日には涙を流した程です。
日本の育児本にも5−6か月から始めると書いてあったのと周り(ドイツ人)からの強い勧め、
一番の決定打となったのは私達の食事風景を見ていた娘がよだれを垂らし口をパクパクして指を咥えて
食べたそうにしている様子を見て始める事にしました。
もしこのサイトを先に見ていたら1か月遅らせたかったなぁと思ったりもしますが
後悔してもしょうがないので身体の大きい娘が、6ヶ月から本格的に食べれるように練習をしていたんだと
前向きに考えたいと思います。
さておき、私も『離乳食』というネーミングによって混乱していた一人であります。
そのネーミングにより徐々に乳離れをしていくイメージが出来上がり、始めないといけないが
始めたくないという気持ちがいつもありました。
しかし『補充食』と聞き今までの疑問が全て解決し腑に落ちました。
今までは乳離れの練習をしているんだという気持ちの中で少し寂しい気持ちがどこか心の片隅にありながら娘に離乳食を食べさせておりましたが、
今は娘に元気に成長して欲しいので沢山食べさせてあげたいと自主的に心の底から思えます!
具体的な数字と理由、『補充食』というネーミングに出会えて本当に感謝しております。
どうもありがとうございます。
これからも色々と参考にさせていただきたいです。
ドイツから経験談をお寄せくださりありがとうございます。おっしゃる通り、「離乳食」はその目的や重要性が分かりにくいこともありますが、「補完食」は目的がはっきりしていて、重要性も理解しやすいですよね。
これからもいくつか悩みは出てくるかもしれませんが、自分なりに考えて乗り越えていくためのお手伝いができましたら幸いです!
10ヶ月頃から離乳食の食べにムラが出始め、1歳になったいま、ついに白飯だけ・素うどんだけ、になってしまいました。
栄養面が気になり白飯におかずやふりかけを混ぜれば吐き出され、おやきやパンケーキ、白米の硬さも数種試しましたが完全にお手上げ。
子供用に作ったハンバーグや卵焼きも、遊ぶだけです。
栄養士や保健師の方々には「授乳回数が多いから食べない」「母乳の栄養だってもう減ってる」と、口を揃えて言われてしまい、子を心配する気持ちに更に拍車がかかって憂鬱でした。
元々とても母乳が好きで、離乳食を食べていた頃でもしっかり母乳を飲んでいました。
最近ではおっぱいのサインを覚えてちゃんと教えてくれるのに、ごはんを食べないのは母乳を飲んでいるせいだと思うとそれすらとても辛く、サインをしてるのに母乳をもらえず泣き叫ぶ子を見るのもとてもしんどくなっていました。
こちらのサイトをみつけ、記事を読ませていただき、あぁ、何の根拠もない話に一喜一憂していたのだなと強く思いました。
授乳がなくなったら楽だと思いつつも、「まだ授乳してるの?」と言われたり、「ごはんの食べが悪いのは授乳のせい」と言われて悩む方は必ずいます。
母親が周りに惑わされず自信を持って育児をすることがどんなに難しいか。
沈んでいましたが、救われました。ありがとうございます。
母乳と食事、補い合えるようなメニューを考え、気長に、子が欲しがればしっかり母乳をあげ、今後も頑張ります。
思わずコメントしてしまいましたが長文乱文ですみません。
寄り添ってくれる方が周りにいない中、子育てするのは大変ですよね。
偏食は頭を悩ませますが、授乳のせいにできる根拠はないと思います。
今後もさまざまな悩みが出てくるかもしれませんが、お二人のペースで進んでいけるよう応援しています。