赤ちゃんにとって理想的な栄養法のポイントは2つ!WHOとユニセフのグローバル戦略

母乳だけで赤ちゃんを育てようとするのって、周囲に理解がないと、結構勇気がいることだと思います。
周りは何かと理由を付けては、白湯だのミルクだの果汁だの、いろんなものを勧めてくるので、母乳だけだと足りないかな、と不安になってしまいますよね。
赤ちゃんが健康に育つために必要なものは何なのでしょう?
WHOとユニセフが推進するグローバル戦略は、とてもシンプルなものでした。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第1章 乳幼児の栄養法を適切に行うことの大切さ
1.3 推奨される乳幼児の栄養法の実践
WHOとユニセフのグローバル戦略
●6カ月間(180日間)は母乳のみ与えましょう(11)。
●月齢6カ月から栄養的に適切で安全な補完食を始めましょう。それと並行して母乳育児は2歳以上まで続けましょう。
「母乳のみ」とは、「母親や乳母からの母乳または搾乳のみ」という意味です。
ビタミン・ミネラル・薬を補足するための経口補液やシロップを除いて、他の飲み物や食べ物は、水も含めて必要ありません(12)。
「補完食」とは、「母乳だけでは必要な栄養を満たせなくなり、母乳と一緒に他の食べ物や飲み物が必要になった時に始めるもの」として定義されます。
補完食の対象月齢は、通常6カ月~23カ月(満6カ月~2歳になるまで)です(13)。
母乳育児は、2歳以上まで続けていいのです。
以上を、乳幼児の求めに応じて行いましょう。
ただし、早期産児・低出生体重児・極度の栄養不良児や、緊急事態の場合は除きます。
また、HIVに感染している母親から生まれた乳児には、特別な方法で行います。
月齢6カ月未満の赤ちゃんが健康に育つには、文字通り母乳だけで十分なのですね。
補完食(離乳食)は月齢6カ月になった日から始めればいいのです。
ただ、これを実践するためには、母親の努力だけでは難しいと思いませんか?
例えば、「6ヶ月までは「母乳のみ」が良い」と言われても、産後、産科施設側がミルクや糖水をルーティン的に与えていることも多いです。
メディカルチェックの度に断乳指導されているかも?というほど、断乳指導も一般的ですよね。
今は、医療者や親が適切な乳幼児の栄養法を実践するのが困難なシステムになっているから、育児が必要以上に大変になっている気がします。
ただ、産科施設や行政などのシステムが整っていないハンデがあったとしても、私たちが正しい知識を知り、「何ができるのか」を考えることはとても意味のあることだと思います。
子どもを最適な方法で育てるには科学的知識が必要
母乳育児ってどうすればいいの?という疑問には第2章まとめ|誰も教えてくれなかった、おっぱいと母乳の基礎知識を、
離乳食(補完食)って何をどう与えればいいの?という悩みには第3章まとめ|補完食は離乳食と別のものですが役に立ちます。
2017/1/28更新
コメント
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質問です。息子が8ヶ月になり、周りから麦茶を奨められるのですが、麦茶や白湯はいつから与え始めれば良いのでしょうか。1歳位までは、水分は母乳だけで充分という意見もあり、私としては分泌維持のためにも母乳だけでいいならその方が良いのですが、ウンチが硬くなったり、周りこらの麦茶コールにどうしたら良いのかわからなくなりました。麦茶や白湯は1歳位までは与えなくても大丈夫ですか?
6ヶ月以降も母乳以外の水分は与えない方がいいのか、それとも与えた方がいいのか迷っていらっしゃるんですね。
補完食(離乳食)が始まる6ヶ月以降の水分補給はこうすべきという話はガイドライン中に出てこないので、お子さんの要求やご家庭の都合に合わせて水分補給されてみてはいかがでしょうか。
便秘は水分量の目安にならない気がするので、おしっこの色やにおいが濃くなったら水分が足りていないかも、と目安にしてみるといいかもしれません。
たとえ大人が「全てを母乳でまかないたい」と思っても補完食が進めば哺乳量が減ってくるかもしれないし、反対に「母乳ではなく麦茶で水分補給してほしい」などと願ってもおっぱいを必要とするかもしれないし、何においても子どもは親の思い通りにはいかないかもしれません。
母乳育児を継続するためには、授乳回数が激減しないことだけ気にしつつ、臨機応変に、長い目で見ていかれるのはいかがでしょうか。