母乳過多・過分泌を改善できた例

母乳過多(過分泌)・過飲症候群・乳糖不耐症(乳糖過負荷が原因のもの)で悩んでいたお母さんと赤ちゃんたちが、具体的にどう対処して症状を克服したかの例を、文献からご紹介します。

●ケース①

お母さん

大量に母乳が出ていた。

左右の胸を10分ずつ授乳していた。

授乳回数は1日に9-12回。

赤ちゃん

週齢15週(3カ月)

母乳は大量に飲めているのに、常にイライラしていて、授乳後も満足した様子がない。

いつも泣いていて、夜も寝ない。

週齢12週から、緑がかっていて水っぽいウンチを豪快な音を立ててしていた。

体重はこの3週間で60 gしか増えず。

対処法

「反対側を飲ませる前に、最初のおっぱいを飲み終わるまで飲ませてみる」ようアドバイス。

赤ちゃんは最初のおっぱいを飲み終わると、泣くこともなく自分から口を離し、夜も寝られるようになり、うんちも通常になり、体重も増え始めた。


●ケース②

お母さん

1-3歳くらいの子と、日齢9日の赤ちゃんに、タンデム授乳中。

第1子出産後も、4カ月間にわたり過分泌を経験。

今回も、授乳の合間も乳房は張って、不快なまま。

医療スタッフに、タンデム授乳しているからだと注意されたが、やめたくない。

「授乳前に搾乳する・強い射乳反射が起こると赤ちゃんの口を離す・授乳間隔を空けて、赤ちゃんのお腹を落ち着かせること」をアドバイスされていた。

赤ちゃん

赤ちゃんは授乳を拒否し始め、添い乳のみ可能。

泣いてばかりで、お腹に問題があるサインを示していた。

大量のおしっこと大量のゆるいウンチ。

対処法

ポンピング&時間割授乳法。

排乳後、赤ちゃんはトラブルなく良く哺乳し、反対側を飲み終わると寝た。

3時間ごとに時間を区切った。

上の子も、時間割に従って授乳。

乳房が張ったため、最初の排乳から30時間後と、72時間後にも排乳。

タンデム授乳は継続しながら、1カ月後の再受診では、過分泌のサインがなくなっていた。


ケース③

お母さん

時間割授乳法では効果がなく、昼夜問わずおっぱいに不快感がある。

赤ちゃんが満足しない様子や痛みを訴える様子に悩み、母乳育児をやめたがっていた。

赤ちゃん

日齢8日。

頻繁なげっぷ、腹痛、激しい泣き、大量の吐乳、緑で大量の便、体重急増(生理的体重減少もないまま、8日で310 g増)

対処法

ポンピング&時間割授乳法。

3時間ごとに区切った。

「赤ちゃん主導の授乳」をするようにすると、頻繁に、ちょっとずつ赤ちゃんのペースで飲めるようになった。

初日は乳房に不快感があったが、赤ちゃんのイライラした様子や、よく泣く様子はすぐ消えた。


ケース④

お母さん

5歳と、生後4日の二児の母。

第一子の時は、授乳に問題がなかった。

第二子は低血糖症になったため、産後は左右のおっぱいを頻繁に替えながら、ほとんどの時間を授乳して過ごした。

血糖値はすぐに回復し、産後3日目に、大量の移行乳が生産され始めた。

痛みや怒張を感じ、乳房は固く、つやつや光り、赤みを帯びていた。

赤ちゃん

授乳中イライラした様子を見せ、大量に吐き戻す。

対処法

ポンピング&時間割授乳法。

3-4時間ごとに区切った。

排乳は最初の1回だけで済み、その後2年半にわたる授乳期間中も、生産量は通常のレベルに落ち着いていた。


ケース⑤

お母さん

怒張が減らない。

射乳反射がとても強い。

赤ちゃん

月齢2カ月。

頻繁に哺乳し、授乳時間は数分程度と、短い。

対処法

ポンピング&時間割授乳法。

初日は4時間で区切るも効果なし。

2日目も排乳し、6時間で区切ることに。

3日目も排乳し、12時間で区切ることに。

とうとう母乳の生産がスローダウン。

その後36時間後と、48時間後に最後の排乳をした。

<ポイントのまとめ>

共通する問題点と、改善方法をまとめると、こういうことなんですね。

  1. 左右○分ずつ交互に飲ませたり、授乳間隔を意図的に空けたりする「大人主導の授乳」をやめる
  2. 赤ちゃんが飲みたいタイミングで、飲みたがるだけ(自分から口を離すまで)飲ませる、「赤ちゃん主導の授乳」をする
  3. 母乳の生産量が多すぎる場合は、最初のおっぱいを飲み終わる(ふにゃふにゃになる)まで何度も同じ方から飲ませることで、後乳まで十分に飲めるようにする

参考文献などはこちらから

乳糖不耐症?過飲症候群?たそがれ泣き?|見分け方

時間割授乳法のやり方はこちら

基本情報→※母乳過多の根本解決のヒント

軽症→※時間割授乳法

重症→※ポンピング&時間割授乳法

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母乳過多の原因や対処法についての記事一覧は、母乳過多から見ることができます。

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2017/5/13更新

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