「差し乳」で不安になる原因を解説します

なんとなくネガティブなイメージで「さし乳になったみたい」と語られることが多いですが、それで不安になる場合は、他に原因がある可能性が高いです。

そもそも、「差し乳」と「溜まり乳」とは、何でしょう。

例えばこんなイメージを持っていませんか?

●さし乳●

母乳の生産量が減ってきた、または、受注生産するようになったおっぱい。

(赤ちゃんが飲み始めた瞬間に、分泌のスパートがかかる)

あかちゃんは、できたての母乳を飲む。

●溜まり乳●

母乳がたくさん出て、常に張っているおっぱい。

赤ちゃんは、溜まっていた母乳を飲む。

でも、これらは昔の常識で、今では、研究によって「人類は皆、溜まり乳」だという考え方が主流になっています。

では、なぜ、「私って差し乳?」と不安になってしまうのでしょうか。


<こんなケースに身に覚えはない?>

●哺乳瓶ならゴクゴク飲むのに、おっぱいだと差し乳になったからか、出ないと泣いて怒って、根気強く飲んでくれない

乳頭混乱になっているかも。

その原因は、母乳の分泌量が少ないのではなく、「哺乳瓶を使っていたこと」です。

哺乳瓶を使わなくても、補足は可能だし、もし、そのまま使い続ければ完全な授乳拒否になってしまうかもしれません。

タグ#飲まないから、授乳拒否や、少ない哺乳量についての情報を知ることができます。

●以前は「ごくごく飲んですぽっと外す」授乳スタイルだったのに、最近は差し乳になってあまり出なくなったのか、いつまでもおっぱいにしがみついている

→授乳時間や授乳間隔は、子どもが何歳になっても、行ったり来たりするのが自然なことです。

何か考えごとをしているのかも?

スキンシップを楽しんでいるのかも?

体力がついただけかも?

赤ちゃんが飲む量と回数が減らない限り、母乳の生産量だけが勝手に減ることはありません。

●以前はよく寝ていたのに、最近は差し乳になってあまり飲めてないのか、寝なくなった(授乳回数が増えた)

→赤ちゃんの体力が付いてきて、体も大きくなってきたので、よりたくさんの母乳が必要になったのでしょう。

求められるがままに飲ませていれば、順調に成長できます。

赤ちゃんは急速に成長する時期がある|よく泣く赤ちゃんの原因②

●搾乳しても、搾れない(量が減ってきた)

→搾乳でたくさん搾れるかどうかは、搾乳の技術や、オキシトシン反射の強さにもよります。

溜まっている量が多くても、オキシトシン反射が起こらなければ、全く出てこないこともあります。

特に月齢3か月頃から搾乳量が減ってきたなら、搾乳の仕方がよくないのかもしれません(母乳の生産能力は十分でも)。

タグ#搾乳から、簡単に搾乳量を増やすコツなどを知ることができます。

●以前はおっぱいがすぐパンパンになっていたのに、最近はふにゃふにゃのまま

→生理学的に、とても自然な経過です。

もちろん、張らなくても、母乳は溜まっているので、安心して何度でも授乳してください。

「母乳育児が軌道に乗るには100日かかる」は本当だった

今まで、一般的に“溜まり乳”だと言われていたのは、出産直後の場合は「乳房の怒張」、産後日が経っている場合は「過分泌・母乳過多」と言われる状態でしょう。

これは、嬉しい状態やノーマルな状態などではなく、ほっておくとトラブルの原因にもなってしまいます。

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“差し乳”は医学的には存在しない

過分泌|原因と対処法

多くのお母さんが経験する母乳不足感

一般的に、赤ちゃんの様子で困ったことがあると、何かとおっぱいのせいにされがちです。

そのため、たとえ必要以上に母乳が作られていたとしても、「母乳が出ていない」と感じることも珍しくありません。

母乳育児を軌道に乗せるために必要なのは、運や根性ではなく、知識とスキルです。

張らないおっぱい・少ない搾乳や直母量に不安を感じたら、母乳不足感の知識が、迷信を撃退する助けになります。

増えない体重・多すぎる授乳回数・長すぎる授乳・おっぱいの痛みを解決するには、ポジショニングのスキルが欠かせません。

2017/4/16更新

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