搾乳していいの?過分泌の原因と対処法|WHO
「母乳が出るなら良し」とないがしろにされがちですが、本人たちにとっては深刻な問題である母乳過多の原因と対処法です。
体重が増えないから母乳不足と思いきや、実は過分泌だったということもあるようです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害
7.12 母乳過多
<サイン>
- 赤ちゃんがたそがれ泣きのように泣き、頻回に欲しがる。
- 赤ちゃんは頻繁にゆるい便をし、便が緑色のこともある。
- 赤ちゃんは体重がよく増えることもありますが、あまり増えないこともあります。
増えない場合は、母乳の生産が少なくなってしまったことが示唆されます。 - お母さんのオキシトシン反射がとても効果的だと、母乳が出る勢いが強いです。
そのせいで赤ちゃんがむせてしまい、哺乳の途中で口を離してしまいます。
<原因>
- 赤ちゃんの乳房への吸着が上手にできていないために、たくさん吸てつをしても母乳の除去が効果的に行われない場合
→この吸てつが刺激になってたくさん母乳が作られてしまうのです。 - 赤ちゃんが飲み終わる前に、お母さんが乳房から口を離して反対の乳房を飲ませようとする場合
→赤ちゃんは主に前半の脂肪分の少ない母乳を飲むことになるので、エネルギーを得るためにより多く吸てつし、その刺激でより多くの母乳が生産されてしまいます。 - 前半の母乳を大量に飲むことで、赤ちゃんがラクトースを分解するために負荷がかかるので、ゆるい便やたそがれ泣き(疝痛)のような行動の原因にもなります。
<対処法>
- お母さんは乳房への吸着の仕方を改善するよう、介助してもらうべきです。
- 赤ちゃんが自分で飲むのをやめるまで、毎回片方の乳房だけ飲ませましょう。
赤ちゃんはより脂肪分が豊富な母乳まで飲むことができます。
次に飲ませる時は、反対の乳房から飲ませましょう。 - 強いオキシトシン反射が続く場合は、仰向けになって授乳したり、授乳中に乳輪の近くを指で押さえつつ持ったりしてもいいでしょう。
WHOのガイドラインには、母乳が出すぎる場合の対処法として、
- 搾乳する
- 授乳回数を少なくして分泌を抑える
などという方法は書いてありません。
搾乳すると、さらに生産量が増える危険性があり、授乳回数を少なくすると赤ちゃんが必要とするエネルギー量を得られなくなる可能性もあります。
おっぱいへの吸着の仕方を改善して、赤ちゃんが満足して自分から口を離すまで、片方ずつじっくり飲ませることが基本なのですね。
もっと詳しいやり方→※母乳過多を防ぐ授乳方法|根本解決のヒント
母乳過多を解決するために必要なのは根性ではなく科学的知識
しこり・詰まり・乳腺炎などのトラブルを根本解決するためには、上手におっぱいに吸着させるスキルが欠かせません。タグ#ポジショニングをチェックしておきましょう。
母乳過多の原因や対処法についての記事一覧は、母乳過多から見ることができます。
他の方の体験談は、経験談(母乳過多)から見ることができます。コメントする前に、似たような経験談が載っていないか探してみてくださいね。
2017/3/17更新
コメント
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母乳育児について検索していて辿り着きました。
完母はムリかも…と心が折れかけた時に、授乳の姿勢や抱き方など改善することができ、本当に助けられました。
記事を読んでいると不安が取り除かれて楽になれます。
これからも更新を楽しみにしています。
コメントありがとうございます!
少しでもお役に立てれば幸いです。