陥没・扁平・巨大・長大乳頭|見分け方
人と比べる機会がないので、該当していることに気づかないこともあります。
うまくおっぱいをくわえられない場合や、授乳中の乳首の痛みの原因になっていることも珍しくありません。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害
7.9 陥没・扁平・巨大・長大乳頭(3)
<見つける手掛かり>
本来、乳頭の形は実に様々なので、通常はそれが授乳を上手に行うために影響することはありません。
しかし、平たく見える乳頭や、巨大・長大な乳頭の場合は赤ちゃんが吸着するのが困難な場合があります。
ほとんどの扁平乳頭は、引き伸ばすことができます。
つまり、赤ちゃんが口の中で哺乳する時と同じ状態のように、お母さんが指で外に引っ張り出せば、乳頭は伸びます。
赤ちゃんは、このように引き伸ばすことができる乳首からは問題なく哺乳できます。
陥没乳頭の中には、引き伸ばすことができない場合があって、乳首を引っ張ろうとすると外に伸びずに逆に先端が内側に引っ込んでしまいます。
この場合は、赤ちゃんが吸着するのがより難しくなります。
妊娠中や、産後最初の週くらいで乳首を引き伸ばすことができるようになることが多いです。
巨大・長大乳頭は赤ちゃんが乳房の組織を十分に口に含むのが難しくなります。
赤ちゃんが口を大きく開けてくわえているにもかかわらず、乳頭の根元が見えることもあります。
<扁平乳頭の目安>
扁平乳頭の定義は、WHOが参照している論文によると、
乳頭の長さそのものよりも、組織の柔軟性があるかを調べる「ピンチテスト」が判断の目安になるようです。
乳頭が短くても、乳頭や乳輪部分が柔軟であれば上手に哺乳できるので、乳頭の長さそのものが問題になるわけではありません。
●ピンチテスト●
親指と人差し指を乳輪に添えて乳頭を軽く引っ張ったときに、伸びた長さが0.5 cm以下の場合を扁平乳頭と判断します。
<陥没乳頭の目安>
親指と人差し指を乳輪の端と端に添えて、そのまま指を滑らせて乳頭をつまもうとすると、通常は何の問題もなくつまめますが、陥没乳頭だと、内側にひっこんでつまむのが難しい(つまめない)ので判断できます。
<巨大・長大乳頭の目安>
乳頭の大きさ・長さが問題になるかどうかは、赤ちゃんの口の大きさにもよるので、「この大きさ以上」という明確な基準はありません。
あくまでおおまかな目安としては、WHOの哺乳・搾乳・乳房の構造などについての記述から考えると、乳頭の直径または長さが2 cm以上になると、「授乳に工夫が必要になるかもしれない」という心の準備をしておいてもいいかもしれません。
ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!
母乳育児を軌道に乗せるためには、それぞれのおっぱい・それぞれの赤ちゃんに合ったやり方を見つけることが欠かせません。乳首の痛みや哺乳効率を改善するために必要なのは、「平均的な形の乳首」ではなく、授乳スキルです。タグ#ポジショニングからチェックしておきましょう。
授乳のタイミングについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。
2017/2/15更新
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