痛くて授乳も搾乳もできないときの最終手段|ホットボトル法

治療

乳腺炎や乳房の怒張が起きたとき、そのままにすると症状がより悪化してしまうので、母乳を除去する必要があります。

でも、痛みや張りが強いために、授乳や搾乳をするのが難しいことがあります。

そんな時は、こんな方法もあります。

 

乳腺炎;原因と対処法, World Health Organization

Annex 2. 搾乳

 

搾乳のためのホットボトル法

乳房に痛みを感じやすく、乳首が張っていて手で搾乳することが難しい場合に、ひどい怒張を和らげるために役に立つテクニックです。

 

適したボトルを利用する

ガラス製(プラスチック製はNG)

1〜3リットルの容量があるもの(700 mL以下はNG)

口径が大きいもの(最低直径2 cm以上、可能なら4 cmで、乳頭がすっぽり入って乳輪にフィットするサイズのもの)

熱いお湯(ボトルを温めるため)

冷たい水を少々(ボトルの口を冷やすため)

熱くなったボトルを持つための厚い布など

 

・少量のお湯をボトルに入れて、軽く温めます

(ガラスが割れる恐れがあるので、急速にお湯を注がないようにします)

・次に、ほぼ満タンまでお湯を注ぎます

・ボトルが温まるまで数分置きます

・ボトルを布で巻いて持ち、お湯を捨てます

・冷たい水に、逆さまにしたボトルの口をつけて、冷やします

(乳首に触れる部分を冷やすことで、やけどしないようにするため)

・ボトルの口で乳首をおおいます。空気が入らないように、ボトルの口の周り全体を肌に密着させます。

・そのままボトルを支えておきます。

・数分後、ボトル全体が冷えたら、乳首がボトルに吸い込まれ、徐々に吸引が始まります。

(初めてホットボトル法を試した女性は、この時驚いてボトルを外すことがあります。その場合は、最初からやり直します)

・乳房を温めるとオキシトシン反射を促進します。母乳が流れ始めたらボトルで受け止めます。母乳の流れが止まるまでボトルをキープします。

・ボトルを空にして、必要があればボトルを温めるところから繰り返して、もう一度搾乳するか反対の乳房を搾乳します。

 

少し時間が経てば、乳房の激しい痛みは減り、手を使った搾乳や直母が可能になるでしょう。

 

原理

ボトルの中で温まった空気が、冷えるにつれて体積が小さくなる(=陰圧になる、吸引力が生まれる)ことを利用した方法です。

・瓶の中の空気をしっかり温め、かつ効率よく冷やす必要があるので、プラスチックよりガラスの方が優れている

・瓶のサイズが大きいほど、空気の体積に差が出やすい(=吸引力が大きい)ので、小さなボトルでは効果がない

・外の空気がボトルの中に入り込まないように、ボトルの口を肌に密着させておかないと、効果がない

 

 

日本でこの条件を満たすボトルといえば、例えば一升瓶があります。

(今時の家庭には、なかなかガラス製のボトルはないかもしれませんが、他に手がない時の参考までに)

 

ホットボトル法を試しながら、反対側の乳房でオキシトシン反射を促進すると、より楽に搾乳できるかもしれません→たった1分のコツで搾乳量を倍にする方法

 

※ボトルの衛生を保つことが難しいという理由で、搾乳は廃棄した方が無難かもしれません。

母乳育児は知識は深く、試練は小さく

母乳育児は、知識が深いほど、試練は小さくなります。

手で行う搾乳については、正しいやり方は痛くない!手で搾乳する方法をご覧ください。

その他、搾乳についての様々な情報はタグ搾乳からもどうぞ。

 

 

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