カンジダ感染(鵞口瘡)|原因と対処法
「授乳をしていない時も乳頭がひりひり痛み、乳輪に赤い発疹・かゆみ・色が抜けて白くなる部分ができることもある」
または
「赤ちゃんの口の中にミルクが固まったような白い点ができ、母乳を飲まなくなることもある」
という症状の原因と対処法です。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第7章 乳房の管理と母乳育児におけるさまざまな障害
7.8 母親と赤ちゃんのカンジダ感染( 鵞口瘡 )
<お母さんが感染した場合の症状>
- 乳頭のひりひりした痛みが、授乳をしていない時間も続きます。
痛みは鋭い針を胸に深く刺されたような感じで、赤ちゃんの吸着の仕方を改善しても軽減することはありません。 - 乳輪に赤くてうろこ状の発疹ができ、かゆみや色素脱失を伴うことがあります。
<赤ちゃんが感染した場合の症状>
- ほっぺたの内側や舌表面に白い点が現れます。
見た目はミルクが固まったような感じですが、簡単に取ることはできません。 - いつも通り哺乳する赤ちゃんもいれば、ちょっと飲んですぐ口を離す赤ちゃん、授乳を全く受け付けなくなる赤ちゃん、
おそらく口の痛みによって吸着や哺乳が困難になる赤ちゃんもいます。 - オムツが当たる部分に赤い発疹が出ることがあります(オムツ皮膚炎)。
<原因>
これは真菌類のカンジダ・アルビカンスが感染することで起こります。
よく、お母さんや赤ちゃんの乳腺炎や他の感染症の治療のために、抗生物質を使用した後に起こります。
<対処法>
ゲンチアナバイオレット(殺菌消毒薬)やナイスタチン(抗真菌薬)で治療します。
お母さんに症状があれば、お母さんと赤ちゃんの両方を治療します。
赤ちゃんにだけ症状があれば、お母さんは治療する必要はありません。
ゲンチアナ・バイオレットの塗布;
0.25%溶液を赤ちゃんの口に毎日塗ります。
5日間または症状が治ってから3日たつまで続けます。
0.5%溶液をお母さんの乳首に5日間毎日塗ります。
ナイスタチン;
ナイスタチン懸濁液100,000 IU/mlを準備します。
授乳後、子供の口に1 mlを1日4回滴下します。
これを7日間、またはお母さんが治るまで続けます。
ナイスタチンクリーム100,000 IU/mlを準備します。
毎日1日4回、授乳後に乳首に塗ります。
症状が治った後も7日間続けます。
比較的よくある症状のようなので、授乳していない時も乳首が痛む場合は注意したいですね。
「ゲンチアナバイオレット」や「ナイスタチン」を塗布しながら、授乳(直母)は続けることができます。
お母さんに症状がある場合は、お母さんだけじゃなくて赤ちゃんも治療する必要があるんですね。
治療薬の授乳への影響は?→※真菌症と母乳育児①|授乳OKな薬・NGな薬|WHO
ポジショニングは母乳育児を楽にする必須のスキル!
「授乳中のみ(触れた時だけ)」に乳首の痛みを感じる場合は、ポジショニングがよくない可能性があります。タグ#ポジショニングからチェックしておきましょう。
授乳のタイミングについては【母乳育児が軌道に乗るやり方・疑問・悩み】が役に立ちます。
2017/2/15更新
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。