ミルクの箱はその辺に放置しないで!緊急時の代替栄養の管理方法のガイドライン
災害時など、緊急事態に救援物資の一つとして、粉ミルクなどの代替栄養を手配することもあるでしょう。
ただし、代替栄養は、他の救援物資と同じような取り扱い方をしてはいけません。
間違った支援によって赤ちゃんやお母さんに悪影響を及ぼさないために、WHOが定めているガイドラインです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第6章 例外的に困難な環境の乳児の適切な栄養法
6.3 緊急事態の状況で生活する乳幼児
<緊急時の管理>
母乳の代替栄養の使用を規制すること
代替栄養を必要とする基準に見合うと判断された場合、その赤ちゃんが必要としている間、代替栄養はずっと供給されるべきです。
スタッフは衛生的な取り扱い方と、正しい代替栄養の与え方についてのガイダンスを受けるべきです(10)。
同時に、人工栄養を必要としない母子にも代替栄養が「氾濫」しないように、あらゆる努力をするべきです。
例えば、代替栄養を必要とする人だけに、スタッフが個人的に調乳の方法を教えるようにしましょう。
また、代替栄養が入っていることが分かる段ボールや容器を、みんなの目につく所に置かないように気をつけましょう。
緊急時にミルクや哺乳瓶をたくさん送ってその辺に置いておくというのは、してはならないことなんですね。
産科施設でも、赤ちゃんに優しい病院は、母乳育児をしようとしているお母さんの目につくような公の場で、ミルク関係の道具を扱ってはいけないと決められています。
お母さんに誰でも利用できるミルクの存在を見せるだけでも、十分に、母乳育児を妨害することになってしまうのです。
他にも難しい状況での母乳育児や出産のガイドラインはこちらから読めます↓
※第6章まとめ|低出生体重児・緊急事態・HIVなど困難な状況での栄養法
2013/10/27更新
コメント
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有事の時以外もミルクや哺乳瓶を使っての授乳はいけませんか?
この内容の根拠になっていると考えられる人工栄養に関する国際規約(国連加盟国が守っている国際的なルール。日本では守られていない)は、厚労省・病院の経営者やスタッフ(有事の場合は避難所の運営にも必要)など、管理者側が守るべきものであり、消費者個々人の行動については言及されていません。
「ミルクを使ったらだめ」ではなく、「ミルクを販売・管理する際はルールを守ってね」、ということを目的としています。