授乳後の乳房の痛みと繰り返す乳腺炎|WHO

原因

授乳中や授乳後に、乳房の奥が激しく痛む原因は、カンジダ症?それとも乳腺炎?

その原因には、こんなこともあるかもしれません。

 

乳腺炎;原因と対処法, World Health Organization

5.4 感染経路

 

カンジダ症と繰り返す乳腺炎

乳首のカンジダ感染と乳腺炎、特に反復性の乳腺炎との関係は、よく注目されてきました(6; 60; 94; 60)。

時々、カンジダによる乳腺炎が、特に糖尿病の女性で報告されていますが、非常にまれです(123)。

 

それよりも、カンジダ症による乳頭亀裂がバクテリアの感染の入り口を提供してしまう可能性が高いです。

カンジダのために乳首の痛みやダメージがあると、授乳の仕方が非効率的になるために、母乳のうっ滞へとつながることも考えられます。

しかし、カンジダ症は多くの場合抗生剤治療を伴うので、カンジダが病因というよりは、乳腺炎の間接的な結果になっているのでしょう。

 

深部の痛み

乳房の深いところで燃えるような痛みが授乳中や授乳後に起こるときは、乳管にカンジダが感染しているためであることがしばしばありますが、最近、乳頭亀裂と同様に、黄色ブドウ球菌が深部の痛みの病原体として同定されました(97; 159)。

深部の痛みは乳管の感染によって起こりえますが、乳腺炎との関連性は明らかになっていません。

 

カンジダ症と繰り返す乳腺炎

 

カンジダ症と、繰り返す乳腺炎がセットで起こることもあるんですね。

そのポイントは…

・カンジダそのものによる炎症という可能性は低い

・カンジダ症による乳頭へのダメージが、他の細菌感染の入り口となっている可能性がある

・痛くて上手くおっぱいへ吸着できなくなることによる母乳のうっ滞が、炎症を起こしやすくしている可能性がある

 

深部の痛み

また、一般的な乳腺炎は、母乳が過剰に溜まること(=母乳のうっ帯)をきっかけに起こります。

でも、母乳のうっ帯はないのに、乳頭亀裂をきっかけに細菌感染して、『乳房のしこりや赤みなどの症状はないのに、授乳中や授乳後に乳房の奥が激しく痛むような炎症』を起こすことがあるんですね。

 

母乳育児は知識は深く、試練は小さく

母乳育児は、知識が深くなるほど、試練は小さくなります。

乳頭亀裂、カンジダ症、しこりなど、乳房の痛みの他の原因や、その対処法は、こちらからもどうぞ→授乳の痛み

 

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