搾乳の加熱処理の仕方と飲ませ方
HIV陽性のお母さんが、「搾乳を加熱処理したものを与える栄養法」を選んだ場合、どのようにして準備し、どうやって飲ませればいいかのWHOのガイドラインです。
WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」
第6章 例外的に困難な環境の乳児の適切な栄養法
6.5 HIV陽性のお母さんから生まれた赤ちゃん
囲み記事No.17
代替栄養
<搾乳の加熱処理>
1食分か2食分として十分な量を搾乳し、小さな鍋や、鍋に入れたお湯の中に立てた金属製の容器に入れて、沸騰させます。
清潔な状態で(フタなどで容器をおおったまま)、冷えるまで待ち、コップで赤ちゃんに飲ませます。
<必要な搾乳量>
- 1日に、子どもの体重1 kgあたり150 mlを与えます。
それを24時間で8回に分けて与えます。 - 生後数日は、初日はトータルで体重1 kgあたり60 ml与え、それを1日に体重1 kgあたり20 mlずつ増やしていきます。
それを24時間で8回に分けて飲ませましょう。
補完食が始まってからは、月齢6カ月になった時点で与えていた量とだいたい同じ量を与え続けます。
ただ、その量は、搾乳できる量や、他の食材をどれだけ食べさせられるか、
子どもがどのくらい搾乳を欲しがるかによって変化するでしょう。
搾乳を沸騰させると、母乳中のウイルスが不活化するので、赤ちゃんに飲ませても感染の心配がなくなります。
これは2009年時点での情報です。2016年現在、HIVと母乳育児に関するガイドラインが改定され、「抗レトロウイルス剤で治療しながら母乳育児は続けられる」という方向へ方針が変わっていますのでご注意ください。
2017/1/26更新
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