哺乳が上手な赤ちゃんと下手な赤ちゃんがいる

初めての母乳育児で赤ちゃんが十分な母乳を飲めていないと、「母乳が足りない?」と思ってしまうかもしれません。

でも、授乳がうまくいかない理由は、たいてい母乳の生産量不足ではないのです。

 

今回は、「哺乳が苦手なタイプの赤ちゃんである可能性」を視野に入れて、根本解決につなげるためのヒントになればと思い、個人の経験談をまとめたいと思います。

 

sumireの第一子を、おっぱいへの吸着が得意な赤ちゃん(プロフェッショナル)、第二子を苦手な赤ちゃん(ビギナー)として、産まれて間もない時期の哺乳の様子を比較すると、こんな感じでした。

 

●出産直後の授乳

第一子:プロフェッショナル

親子とも服を着たままのなんちゃってカンガルーケアで、助産師さんが完全介助しての授乳(添い乳)だったが、スムーズに吸着。

 

第二子:ビギナー 

正式なカンガルーケアで、赤ちゃんは自力でおっぱいを探して右往左往していたがいつまでたっても見つけられず、見かねた私が手伝っても全く吸着できず、助産師さんに手伝ってもらいながら3人がかりでやっと吸着。

 

●原始反射

第一子:プロフェッショナル

赤ちゃんのほっぺや唇の近くを、指などでちょんちょんと触れると、口を大きく開けて、首を細かく左右に振りながら乳首を探してとらえようとする。

おっぱいの方向へ顔を誘導するのが簡単。

 

第一子:ビギナー

いくら顔をちょんちょんしても、口も開かないし、乳首を探そうともしない。

自分でおっぱいを見つけられず適当な方向ばかり向くので、吸着させるのが非常に困難。

(その後、哺乳の経験を積むと、あごをちょんちょんすると、ちょっとだけ口が開くようになった。さらにさらに経験を積むと、口をもう少し大きく開けてわずかに首を振るようになった)

 

●口の開け方

第一子:プロフェッショナル

口を「アー」と大きく開けて、「エ」と発音するときのように舌が少し前に出た状態。

乳房をしっかりとらえることができる。

 

第二子:ビギナー

まさかの「ウ」!

乳頭すら口に入らず、途方に暮れる。

(WHOガイドラインには「赤ちゃんの口が大きく開くのを待ってからくわえさせる」って書いてあるけど、待っても大きく開かないので、とりあえず先だけなんとかくわえさせて、授乳開始していた)

 

●乳房への吸着の仕方

第一子:プロフェッショナル

協力的。おっぱいまで一直線。

 

第二子:ビギナー

吸着させようとした瞬間に、気持ちが焦るのか片手でバーン!とつっかえ棒をしてくるので、なかなか吸着できない。

 

●射乳が起こるまで

第一子:プロフェッショナル

ずっと熱心に吸てつし続ける。哺乳の効率は非常に悪かっただろうに、文句も言わず延々と吸てつしていた。

 

第二子:ビギナー

すぐに射乳が起こらないとイライラして口を外すこともよくあった。10秒も待てない。

その後、経験を積むと、射乳が起こるまで時間がかかると理解したのか、待てる時間が少しずつ長くなった。

 

●嚥下の仕方

第一子:プロフェッショナル

常にガッツがあり、困難を伴うことはなし。

 

第二子:ビギナー

すぐむせる(※オキシトシン反射は強い方ではない)。

苦労して吸着させても、飲み始めたと思ったらイタズラに口を外す。

 

<最後に>

・赤ちゃんによって状況も能力もさまざまなので、上手か下手かの判定はそれほど重要じゃなく、すべての赤ちゃんにとって、効率よく哺乳するためにはスキルが重要なんだということを強調したいと思います。

 

・さらに、哺乳が得意じゃない赤ちゃんほど、それをカバーするような授乳スキルも必要になります。授乳がうまくいかない場合は、母乳不足を疑うよりも、うまく哺乳できていない可能性を考えた方が、根本的な解決につながりやすくなるかもしれません。

 

・多くの赤ちゃんは生まれながらにして哺乳に必要な能力を持っていますが、産まれた後にも新しく学習し、スキルアップしていくようです。私の第二子は、何ヵ月もかけて適切なポジショニングを何度もリードしていくうちに、自分から最適なポジションをとるようになりました。

 

・哺乳瓶が哺乳効率低下や乳頭混乱の原因になるのは、哺乳瓶独特のポジショニング・口の開き方・吸てつの仕方などを体得し、直母でも実践しようとしてしまうことも一因かもしれません。

 

母乳育児はスキルが重要!

この記事では、「乳房に吸着させるコツ」に焦点を当てています。楽な授乳姿勢などは、タグ#ポジショニングをどうぞ。

授乳頻度や授乳回数などについての疑問は、【「母乳育児が軌道に乗る授乳方法」のやり方・疑問・悩み|まとめ】をチェックしてみてくださいね。

 

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コメント

    • なっつい
    • 2015年 12月 30日

    初めまして、いま2ヶ月の息子の授乳に奮闘中の者です。
    息子はすごく哺乳がへたっぴで、助産師さんにラッチオンを教わりながらなんとか頑張っていますが、
    進歩は亀の歩みです。
    今日の記事を拝見して、ビギナーちゃんがまるで息子!とびっくりしました。なんでお腹すいてるのに自分でおっぱい離すのよー、と何度さとしたことか…。
    そして、やっぱり数ヶ月かけて頑張る必要があるんだなーとしみじみ思い、励まされました。
    来月から仕事復帰なので分泌維持が大変ですが、記事を参考にさせていただき、なんとか頑張ってみます。

    • 初めてのお子さんでビギナーちゃんとは、不安も大きかったことと思います。
      私の場合、良いラッチオンは諦めてポジショニングに集中したら、へたっぴちゃんでも哺乳できることを見出したので、ポジショニングをマスターしてみるといいかも?しれません。
      仕事復帰との両立も、大変なこともあると思いますが、長い目でみるとそれ以上に良いこともたくさんあると思うので、焦らずマイペースでいけるといいですね。

    • ベル
    • 2016年 7月 27日

    初めまして!
    第一子出産にあたり、こちらのサイトを沢山参考にさせて頂いています。

    出産・育児にまつわる情報って、本当に「何故?」「根拠は?」「具体的にどれ位?」に応えてくれる情報が少なく戸惑っていたので、とても助かりました。

    うちの子は食い意地がはっていたのか割と上手だったので、この記事の「まさかの『ウ』」に爆笑してしまいました(笑)。
    こうしてたまにsumireさんのお人柄が見える記事が好きです^ ^ 。

    有益なサイトをありがとうございます、これからも応援しております!

    • 感想&応援ありがとうございます!少しでもお役に立てれば幸いです。深い知識があるからこそできる爆笑ですね!
      私ももっとフリースタイルの文章も書けたらいいなと思いますが、内容的にまじめにならざるを得ないことが多いので、違う機会に出していければと思っています(*^-^*)

    • ゆっきー。
    • 2016年 12月 19日

    はじめまして。
    2人目出産間もない母です。
    2人目は妊娠中も出産も授乳も
    慣れているから、とあぐらをかいていたら
    全てにおいて1人目の方が楽でした(笑)
    授乳は早くマスターしたいと
    かなり焦っていたのですが、
    sumireさんの記事を読んで
    元気をもらっている&
    とーっても参考にさせていただいています。
    ありがとうございます。

    • コメントありがとうございます。
      子どもによって、哺乳の仕方は想像以上に個性がありますよね。
      お一人目の時より苦労されることもあるようですが、お二人のペースで進めるよう応援しています!

    • ゆきんこ
    • 2017年 3月 30日

    初めまして、1ヶ月の娘と初めての育児に奮闘中の者です。
    私も皆様と同じく確かな根拠・データが示されたこちらのブログにとても助けられています。
    産院退院直後から乳腺炎、白斑(右乳のみ)を繰り返し、今でも右には4つの白斑を抱えて痛みに耐える日々です。
    うちの娘もまさにビギナーそのもので、こちらのブログを参考にポジショニングを改めてみたのですが(新生児でもできる縦抱きと交差横抱きをやっています)、なにせお口が「ウ」、すぐむせる、手でつっかえ棒の三種の神器を繰り出してくるので、どうにもうまくいかず、いわゆる浅飲み状態となっています。
    また、満足して自ら乳首を離すまで吸わせていると片乳20~30分は平気で経っていたり(左は分泌も良いためゴクゴクしています)、自ら乳首を離したわりに、寝付いたかな?と思い離すとまた手や口で乳を探すようにもがいて泣いたり、吐乳したり…とで、1回あたりの授乳に1~2時間かかることもあり、そんな状況で号泣されるため「母乳が足りてないのでは?」「ミルクを足せば?」と家族に言われ精神的に参ってしまっています。
    長くなってしまいましたが、以下の点ご意見頂けたらと思います。

    ①正しいポジショニングを実践していれば、ビギナーによる浅飲みもそのうち改善されていくのでしょうか?(浅飲みが続くということは、ポジショニングが正しくないのか?)
    ②一度の授乳時間が長く、ダラダラと飲んだりすぐ吐乳したりを繰り返していますが、このままだと私の乳首がもたない(浅いため痛みもあり)と思ってしまうのですが、やはり求めるだけやるしかないのでしょうか?
    ③授乳後の号泣で、オムツ交換や室温などは問題ない場合、寝ぐずりと再度お乳を求めている泣きとの違いが分かりません。なにか見分け方はありますか?お乳をあげずにあやし続けていると30分くらいで寝付くこともあり、すぐにお乳を追加するのは早急なのか?と思うこともあります。

    長文となり申し訳ありません。

    • はじめまして。白斑・乳腺炎に、赤ちゃんの吐乳や泣きと、大変でしたね。
      さっそくですが、いただいたコメントから考えられることを書いてみたいと思います。

      ①浅飲みについて
      多くの赤ちゃんがどのような経過をたどるかは分かりませんが、私の経験では、浅飲みはずっと続きました。しかし、ポジショニングのコツをつかんでからは、浅飲みでも問題なく飲めていたので、まずはポジショニングに集中されるといいかも?しれません。

      ②③について
      ゆきんこさんの場合、母乳が作られる量がとても多いのかなと感じました。母乳過多のサインに当てはまることはないでしょうか。白斑、吐乳、頻繁で激しい泣きは、母乳の生産量がちょうどよくなれば、自然とおさまる可能性があります。

        • ゆきんこ
        • 2017年 4月 05日

        sumireさま、お忙しい中さっそくのお返事を有難うございます。

        浅い飲み方でもポジショニングが最適でしっかり飲めていれば良いとのことで安心しました。

        このサイトを拝見し、症状としては母乳過多や乳糖不耐症などに当てはまるように感じたのですが、授乳前後で体重を測ると、しっかり満足するまで飲ませていても右5g、左50g増と、あまり母乳が出ていない気がします。
        特に右がポジショニングを改めても母乳量もなかなか増えず、ふにゃふにゃになるまで飲んだはずな後も口を外すと泣いてしまいます。
        右を最後までしっかり飲ませた後に左にいっても母乳過多のような症状があったため、時間割を試してみたのですが、右の時間帯(左2時間、右3時間です)はやはり満足できていないのか泣きが激しいです。
        また、体重増加を見ても左も決して多すぎる程出ているわけではないように思うのですが、時間割を続けると左も少なくなってしまうのではと心配しております。
        このような場合も時間割を続けるべきでしょうか?
        また、授乳前後体重増加をみても、私の場合も母乳過多と言えるのでしょうか?

        今一度ご意見を頂ければと思います。

        • 直母量を量ってみたら、思ったより少なかったので、母乳過多ではなく、むしろ母乳の生産量が少ないんじゃないかな?と考えていらっしゃるんですね。
          ご質問についてですが、今後どうすべきかを判断しやすくするために、一度、母乳不足感の記事を読んでいただけますでしょうか(記事数が多くて恐縮ですが、ゆきんこさんが納得できるような説明はコメント欄では書ききれないので、まずは基礎知識を共有できたらいいなと思っています)。
          その上で、まだ解決できなければ、コメントお待ちしています。

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