母乳を”出す”ホルモン、オキシトシン④|心理的効果

オキシトシンには母乳を出すだけでなく、心理的な効果もあります。

子どもを欲しいと思わせ、育児の大変さを癒してくれる、生き物としての原点の一つなのかもしれません。

 

WHOガイドライン「乳幼児の栄養法」

第2章 母乳育児の生理学基礎

2.5 乳汁生産のホルモン制御

 

オキシトシンの心理的効果

 

オキシトシンは心理的な働きも重要です。

オキシトシンは、動物の母親的行動に影響することが知られています。

 

人間では、オキシトシンは、穏やかな心理状態にしてくれ、ストレスを減らしてくれます(22)。

また、母子間の愛情を強め、結びつきを促進します。

 

心地よいスキンシップはオキシトシンとプロラクチンの分泌を促すので、産後の母子の肌と肌の触れ合いは母乳育児だけでなく、母子の気持ちの結びつきのためにも効果的なのです(23,24)。

 

母子で触れ合ったり授乳したりすると、オキシトシンが分泌されるんですね。

母乳を”出す”ホルモン、オキシトシン①|仕組み

 

 


スキンシップで親子間の愛情を感じるとは限らない

オキシトシンが分泌された結果、どのくらい愛情や安らぎを感じるかは、正直、かなり個人差がある気がしませんか?

これは私の仮説ですが、オキシトシンを受け取る”レセプター”が鍛えられていないと、オキシトシンを受け取ったあと、愛情や安らぎと表現される感覚につながるまでのプロセスがなかなか繋がりにくいんじゃないかと思えてなりません。

 

つまり、オキシトシンの効果をたっぷりと受けながら(たくさん抱っこなどスキンシップをしてもらい、優しい言葉と視線に囲まれて)育った人は、オキシトシンの感受性が鋭く、オキシトシンが分泌されるとすぐに愛情を感じるようなお母さんになるんじゃないかと思います。

 

でも、オキシトシンの効果をあまり受けられずに育った人などは、オキシトシンの感受性が鈍くて、授乳などによってオキシトシンが分泌されたからといって、すぐに愛情や安らぎなどを感じるとは限らないのかもしれない、と思います。

そして、このタイプのお母さんお父さんも少なくない気がします。

 

ただ、一番重要なことですが、授乳をできるだけ長く続けたり、抱っこなどのスキンシップをできるだけ多く取ったりすることで、”レセプター”はだんだん鍛えられていきます。

つまり、お母さん自身のオキシトシンへの感受性がだんだん鋭くなっていき、もっと子どもに対して安らぎを感じるように変化していくんじゃないかなと思います。

感覚の変化を感じるには、数年以上かかるかもしれません。

 

お母さんだって、最初から母性が備わっているわけではないし、母性を感じないからお母さん失格なわけでもないです。

人生のどこかで(理想的には乳幼児期。大人になっても重要)、たくさんのオキシトシンにまみれることが大事なのかもしれません。

「オキシトシンまみれ」を意識して育てれば、その子どもが親になったときには、そこまで苦労せず愛情や安らぎを感じる親になるんじゃないか、とも思います。

 

母乳が出るメカニズムは【授乳のステップ②母乳が出る仕組み】で基礎が分かります。

その他にも、「母乳の出がよくなる仕組み」や「母乳中の免疫はいつまで効果があるのか」などについては、【第2章まとめ|誰も教えてくれなかった、おっぱいと母乳の基礎知識】を読めば、迷信に惑わされず、本当はどんな仕組みなのかを理解することができます。

2017/1/28更新

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