腹もちの良い母乳の飲ませ方

母乳はカロリーが低いとか、腹もちが悪いとか、誰が言い出したのでしょう?

そんなこと言われると、母乳だけならいくら飲ませても足りないような、ミルクも飲ませないと赤ちゃんは満足できないような気がして、ますます不安になっちゃう!

 

母乳はそんな水みたいに薄い、ローカロリーな飲み物ではありません。

(カロリーはミルクと同じだし、生後半年間はミルクよりも赤ちゃんの体重が増えやすいのが事実)

 

授乳の仕方が良くないことが多いから、体重が増えにくいように見えたり、とても腹もちが悪く見えたりしちゃうのかもしれません。

ということで、どんな風に授乳すればいいのかと、その理由をまとめました。

 

●腹もちのいい母乳の飲ませ方:いわゆる赤ちゃん主導の授乳

  • 赤ちゃんの要求に応じて、頻繁に授乳する
    →授乳を頻回にしておっぱいを空にするほど、母乳中の脂肪濃度が上がる!

  • まず最初のおっぱいを飲み終わる(ふにゃふにゃになる)まで、飲ませる
    →脂肪分が豊富な、後乳までしっかり飲める!

  • 赤ちゃんが飲みたがるだけ長く、授乳する
    →脂肪分の毎分あたりの摂取量は、授乳開始後15-20分頃にピークがくる!

 

ポイント

脂肪分は、胃が空になるのを強力に防いでくれるので、いわゆる腹もちもよくなります。

②すると、消化器をゆとりを持って通過できるようになり、消化もより完全にすることができます。

③その結果、摂取できるカロリー・栄養素だけでなく、消化吸収できるカロリー・栄養素も増える、ダブルのメリットが期待できます。

 

●腹もちの悪い母乳の飲ませ方:いわゆる大人主導の授乳

  • 授乳間隔を、3時間おき、4時間おきなどと、できるだけ空けて胸を張らせる
    →胸が張るほど、母乳の脂肪濃度は低くなる…

  • 授乳中、時間を計って、左右3分ずつ、5分ずつなど、両胸を交互に飲ませる
    →脂肪濃度の低い前乳を主に飲むことになる…

  • 赤ちゃんがまだ欲しそうにしていても、授乳は20分以内に切り上げる
    →脂肪分豊富な後乳が十分に飲めない…

 

ポイント

①摂取した乳脂肪分が少ないと、胃の滞在時間が短くなります。

②すると、乳糖が小腸に一気に流れ込むことで、消化吸収のキャパシティを超え、消化が不十分になりやすくなります。

③その結果、摂取できるカロリー・栄養素だけじゃなくて、消化吸収できるカロリー・栄養素も少なくなってしまう、ダブルのデメリットが生まれる可能性があります。

 

赤ちゃん主導の授乳のやり方→※赤ちゃんに優しい病院では、赤ちゃん主導の授乳を奨励されます

多くのお母さんが経験する母乳不足感

一般的に、赤ちゃんの様子で困ったことがあると、何かとおっぱいのせいにされがちです。

そのため、たとえ必要以上に母乳が作られていたとしても、「母乳が出ていない」と感じることも珍しくありません。

母乳育児を軌道に乗せるために必要なのは、運や根性ではなく、知識とスキルです。

張らないおっぱい・少ない搾乳や直母量に不安を感じたら、母乳不足感の知識が、迷信を撃退する助けになります。

増えない体重・多すぎる授乳回数・長すぎる授乳・おっぱいの痛みを解決するには、ポジショニングのスキルが欠かせません。

書籍「ちょっと理系な育児(母乳育児編)」には、母乳育児の悩みを根本解決させるための情報がまとめられています。

 

<主な参考文献>

M.W. Woolridgea, Chloe Fisherb. COLIC, “OVERFEEDING”, AND SYMPTOMS OF LACTOSE MALABSORPTION IN THE BREAST-FED BABY: A POSSIBLE ARTIFACT OF FEED MANAGEMENT? The Lancet, Volume 332, Issue 8607, 13 August 1988, Pages 382–384

 

Kent J et al. Volume and frequency of breastfeeding and fat content of breastmilk throughout the day. Pediatrics, 2006, 117(3): e387–392.

2017/5/13更新

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コメント

    • numa
    • 2019年 11月 15日

    はじめまして。

    先週第2子を出産した者です。
    産んだら母乳は出るものと能天気に信じてなにも知らずに出産し、初日からあっさりミルクを足されてあれよあれよと選択肢なき混合育児になってマタニティブルースにもなって悩みまくった一人目の頃から、本サイトと書籍に繰り返しお世話になっております。
    今回二人目を産むにあたって、こちらで得た知識を元に、とりあえずすぐにミルクを足そうとする助産師さんから息子を守りきって(笑)昨日退院し、順調に完母生活をスタートさせております。
    (入院中、息子に任せて1日20回overの頻回授乳を続けて助産師さんにあきれ半分驚かれたのも勲章です(笑))
    本当に本当にありがとうございます。

    さて、前置きが長く申し訳ありません。
    今回教えて頂きたいのは、高カロリーな後乳について、だいたい15分でピークを迎える後乳の15分のスタートはいつ時点になりますでしょうか?

    例えば右8分→左8分と飲んだ場合に後乳は飲めているのでしょうか?
    つまり、後乳ピークの15分は右左合算での15なのか、それぞれ15分なのかどちらでしょうか?
    また、右8分→5分休憩→右8分 の場合はいかがでしょうか?どれくらい間があくとリセットされるのでしょうか?
    目安でも結構ですので、お時間ありますときに教えて頂けましたら幸いです。

    よろしくお願いします。

    • はじめまして。
      ブログと書籍もお読みいただきありがとうございます。
      返信遅くなりましたが、その後いかがでしょうか。

      結論としては、母乳のカロリーは、おっぱいの満タン度によって変わるので、単純に授乳時間で決まっているわけではないのです。
      人によって違うし、同じ人でも授乳のたびに違うと思って間違いないです。

      実践的には、(母乳過多の場合をのぞいて)赤ちゃんまかせに授乳すれば、後乳まで飲めるようになっているので、安心してください!

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